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異世界美容室  作者: きゆたく
四年目、異世界砂漠開拓編
129/136

リトールの子供達、青空教室開校


 僕達は週に二日、子供達の先生をする事になった。場所は外で青空教室だ。内容は国語・算数・体育・図工・家庭科・道徳って感じだ。出来るだけ、社会に役立つ内容を考えている。そして今はその準備中だ。



「加護のおかげで、読み書きが出来て良かったです!」


「本当に…これで文字が教えられるよ。年齢関係無く、一学年だけど良いよね?」


「その場その場で、対応すれば何とかなるでしょ」


「大体…五歳から十二歳くらいだけど…まぁ、やってみてか…」



 あまりにも小さい子は、親が面倒を見ている。僕達も責任が取れないし。サービスで筆記用具はプレゼントするし、何となくホワイトボードも買ってしまった。黒板にチョークも憧れたけど、こっちの方が楽だしね。



「教科書は皆に渡せないけど、昔のが残ってて良かったよ」


「それを見ながら教えるんですね!」


「まぁ、必要なのは算数くらいだけどね。他は何となくやるよ」


「楽しみね…子供達も楽しんでくれると良いけど…」



 子供は四十人近く集まる予定だ。丁度、一クラス分くらいなのかな。三人いれば何とかなるか…。



※※※



 そして当日を迎える。一人一人に机は無いけど、大きいテーブルをいくつかと椅子は用意して貰った。朝から子供達も集まっている。新しい事にワクワクしている様に見える。



「おはようございます!」


「「「「「おはようございます!」」」」」


「じゃあ、今日から暫くよろしくね!わからない事があったら、何でも聞いてね!」


「「「「「はい!」」」」」



 皆、素直だな…。今まで生き死にの生活をしていたせいか、いきる知恵や力を得ようと必死なのかも…。そして早速、国語から授業を始める。識字率を上げる内容で、文字から教えていく。



※※※



「じゃあ、一通り文字は書いたね?次は皆の名前を書いてみて」


「よしっ!」


「わっ難しい…」



 この世界の文字は、比較的英語と近いかもしれない。日本語みたいに平仮名やカタカナ、漢字という区別もないし、慣れると筆記体みたいになってくる。今はまだ皆苦労してるけど、すぐ覚えれるだろう。



「キクチ先生!これで良いですか?」


「えーっと…うん出来てるよ!」


「やったぁ!」


「じゃあ、何回も書いて覚えてね」


「はい!」



 皆は僕達に見て貰いながら、書いていく。既に書ける子も、協力してくれて凄く良い。でもそんな時に、一つ問題が起きた…。



「マイおばさん!出来ました!チェックして下さい!」


「……」


「マイおばさん!見て下さい!」


「……」


「マイおばさん?」


「……」


「マイおば…」


「……」



 そこに鬼がいた。一瞬にして、凍り付く青空教室。晴れていた空も、心なしか曇ってきた。これは、ヤバい…!



「がっガンダ君!マイ先生って呼んで!もしくはマイお姉さんって!」


「はっはい!まっマイお姉さん!いや…マイお姉様!ぼっ僕の薄汚れた文字を見て下さい!」


「……」


「マイお姉様!お願いします!」


「…ガンダ君…どれどれ…?…中々良く書けているわ…チッ…」



 鬼の形相のまま、文字を見るマイさん…。一応、何とかなったのか…?舌打ちしてるし…。でも子供達もこれで理解しただろう。誰が最強で、何をしてはいけないかを…。



※※※



 その後は何とか順調に進んだ。休憩を挟んで体育の授業に入り、皆でドッジボールをした。僕達も交えて、楽しく出来たよ。皆も本当に楽しそうだった。ただ誰一人マイさんに、ボールを当てようとはしなかったけどね…。



「皆も楽しそうで良かったですね!」


「僕も安心だよ」


「私は自棄に気を使われたけどね…」



 そんなこんなで昼食に入る。青空教室では、各自でお弁当等は用意せず給食という形にしてある。リトールからお金も少し貰ってるので、それを使って僕達が準備している。今日は簡単なサンドイッチやスープにプリンを用意したよ。日本で買ったのもあるけど、それはご愛嬌だ。そしてこの昼食である事に気付く…。一見楽しそうなこの青空教室も、問題はちゃんと隠れていたのだ…。



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