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異世界美容室  作者: きゆたく
四年目、異世界砂漠開拓編
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砂障壁の向こう側、作戦会議


「ただいまー!」


「あっお疲れ様、ナナセさん」


「おかえり、ナナセ…何か機嫌良いじゃない」


「ふっふーん。後でエレーカシさんの家に集合ですよ!」



 砂障壁の調査から帰ってきたナナセさんは、えらくご機嫌だった。アントレン様や、他のメンバーも心なしか嬉しそう。きっと良い報告だな。向こうに行く可能性を、見付けたんだろうね。



「じゃあ、その時まで楽しみにしてるよ」


「はい!期待して下さい!店長にも手伝って貰わなきゃだし!」



 そうなの?まぁ、何でもするけどさ。皆も喜んでくれるだろうしね。



※※※



 そして主要メンバーが、エレーカシさんの家に集まり、ナナセさんの話を聞く事に。



「皆さん!向こうに行く事を決めました!作戦もバッチリです!」


「うぉっ!とうとう…」


「やった!」


「でもどうやって…」



 皆は驚きの声、喜びの声、疑問の声、と様々な反応だ。



「簡単に説明すると、トンネルを地下に掘って進みます!」


「そんな…簡単には…」


「砂は崩れるから…」


「確かに簡単ではありません。でも水源は見付けましたよ。砂を掘ってね。その時はどうしました?私は何を皆さんにさせました?」


「あっ…!」



 ナナセさんの説明に、皆は疑心暗鬼だ。でもリトールで、水源や水路の手伝いをした人は理解する。



「そうです!魔法で、砂を固めながら進みます。確かに真下に掘るよりは、かなりの苦労を伴うと思いますけど、出来るはずです!」


「そんな事が出来るのか?掘る前に…あの周辺にいる事すら大変だぞ…」


「私の言う事を、良く聞いて下さい!まず私達は、今日ダウンジングで砂障壁の近くに、水源を一つ見付けてきました。そこをまずは掘って、周辺を整地します。水は適当に流しますけどね。そして簡単で良いので、家もしくは小屋も建てましょう」



 皆は黙って頷いている。



「店長!そこに結界も張るので、桜の苗木を一つ買ってきて下さい!家を建てるのも、結界を張った後なら簡単でしょうしね!」


「なるほどね…わかったよ」


「そうすれば、砂障壁は無理でも…多少の砂嵐は防げますから、作業は大分しやすいはずです!」


「おおっ!」


「それで…!」


「それである程度斜めに穴を掘っていき、後は一直線で真横に掘り進めます!砂を掘る人、魔法で壁や砂を固める人、砂を外に運ぶ人で編成しましょう。穴の大きさは、最低でも魔動車が入れる大きさにします。そうすれば、移動や作業もより効率良くなります。マジックバッグも使えば道具や砂も運べますしね」


「凄い…」


「行けるかも…」


「暫く、そこに住む人も出てくると思います。交代制で、上手く決めて下さい。食料も備蓄したり、ここから運んだり、時間があればそこで栽培しても良いです」



 皆は可能性に胸を膨らませる。明確にする事がわかるし、ビジョンも見える。



「それで…皆さんには、更に考えて貰いたい物があります」


「何でもするぞ!」


「何を考えれば…」


「トンネルを掘り進めると、必ず空気が…酸素が足りなくなります。なので、空調を整える魔方陣を考えて下さい。それをトンネル内部に所々設置します。外の空気と、トンネル内の空気を入れ換える為に」


「酸素…?」


「そのまま掘り進んだら、駄目なのか?」


「多分…窒息して死にます」



 酸素の概念も、まだこの世界には無いんだろうな…。仕方が無いけどね。皆も新しい知識は知って欲しい。



「後は灯りですね。トンネル内を照らさなきゃ、作業も出来ませんから。これも所々設置したいです。もし火を使ったら、間違い無く死にますから…粉塵爆破なんて困るし…そこを上手く魔力で、何とかして欲しいです」


「なるほど…わかった。灯りは俺が作ろう。元鍛冶ギルドだったしな」


「私は空調の魔方陣ね…多分出来ると思う」


「俺も手伝うぞ!」


「私も出来る!」



 皆が一つになって、動き始める。簡単ではないだろうけど、先が見えるのは良い。ナナセさんは、本当に良くやってくれたよ。



「店長!他にも作業道具や、他にあれば良い物とか、ホームセンターで買ってきてくれませんか?」


「了解です。それくらいはさせて貰うよ」


「スコップや台車…懐中電灯…うーん。まぁ店長に任せます!」


「詰めは甘いんだね…」


「ナナセらしいわ…でも偉い…良くやったわ…」



 マイさんの言う通りだよ。僕も出来るだけ協力だ。トンネル掘りは、全く力になれなそうだからね。そして僕達は役割分担等も細かく決め、明日からすぐに行動を移す事にした。



※※※



「俺が…とにかく忙しい…過密スケジュール過ぎないか?」


「アントレン様…頑張ってね…」


「そうよ…一番頼りになるんだから。私も安心して見てられるわ」


「ほっ本当かっ、マイ?」


「勿論よ。あなたがここで、一番実力も魔力もあるんだから」


「そっそうだな!よし!やってやるぜ!」



 マイさんは、上手くアントレン様を使う。今も不適な笑みを浮かべてるよ…。アントレン様…僕は色々と祈ってるからね…。今度、お酒でも奢るからさ…。



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