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異世界美容室  作者: きゆたく
四年目、異世界砂漠開拓編
109/136

パラレルスタッフ、原因究明と結界


 今日は朝から、アントレン様達が砂障壁を調査しに行った。マジックバッグから魔動車を出し、それに乗ってね。オートマ仕様だし、教えればアントレン様でも運転出来るだろうしね。皆も新しい魔道具に驚いてはいたが、流石この世界の人達だけあって、飲み込みが早い。何の疑問も持たずに、乗り込んで出発してったよ。



「じゃあ、僕達も調べて見ますか」


「はい!」



 そして僕達も、あらためて周辺を調査する事にした。お店はまだ暇だしね。そして、マイさんから単純な疑問が出る。



「何かさ…変じゃない?」


「何がですか?」


「気候よ…水が無くなる程、暑くもないし、乾燥もしてない気が…」


「確かに…夜も普通でしたね…」


「まぁ夜は、極端に寒い地域もあるらしいけど、そこまで気温は下がらない所も一杯あったはず…」


「お姉ちゃん、詳しいね!」


「そこまで詳しくは無いよ…まぁ後でインターネットでも使って、調べてみるけど…それでも何かさ違う気がするんだよね…」



 確かに砂漠のイメージとは、ちょっと違うかもしれない。もっと暑くて、ジリジリした日射しがある気がする。何だったら、ダウタウーン公国の方が暑かった。



「ちょっと聞き込みでもしてみますか!」


「おっとナナセ、刑事みたいね」


「ははっ、でも良いですね!聞いてみましょう」



 そして僕達は、各自に別れて聞き込みをした。



※※※



「とうだった?」


「やっぱり、年間通してそこまで暑く無いみたい。冬程、寒くはならないみたいだけど…雨も結構降ってるみたいだし…」


「私も同じよ…降水量がある程度あって、この程度の気温で砂漠化ってするのかな…」


「僕もです。それと元々あった植物も…向こうの大陸と変わらないみたいで…今残ってる植物も、暑い地域特有の植物では無さそう…」


「私も見たわ…それに砂漠特有の植物も無いしね…まぁ地球とは違うかもしれないけど…それでもそれっぽい物すら…」


「オースリー王国でも、地球と同じ植物は多少あったもんね…」



 やっぱり、何かおかしい気がするなぁ。



「海側から回って、向こうに行けないか聞いたけど、海の向こうにまで砂障壁はあるみたい」


「アントレン様も、そう言ってたよ。どうやらこの大陸の南部を、丸々と囲んでいるみたい」


「他の国も無いみたいだし、逃げ道は無いのね」


「もう少し南に行った所に、小さな国はあったらしいよ。百年位前に、滅んだらしいけど」


「私も聞きました!それに砂漠化もそれぐらいから、始まったっていう噂です!」



 砂漠化によって、人が住めなくなり滅ぶならわかるけど…。その前には滅んでたのか…。



「何でその国は、滅んだんだろうね…」


「私も聞いたんですけど…ストムさんも、ザドー王国に戻ればわかるかも…とは言ってましたけど…」


「それは難しいか…」


「なんか人為的に…砂漠化させてる気がしない?ねぇキクチくん」


「マイさんも、そう思います?僕もやっぱり自然現象とは違う気が…まぁ、そんなに詳しい訳では無いから…確証は無いけど…」


「やっぱり魔法とか魔力が、関わってそうですね!」



 そう考えた方が、辻褄が合うかもね。でも魔法も気象も、知らない事の方が遥かに多いからなぁ。専門家がいると、良いんだけどね。



「そうだ!良いこと思い付きました!」


「何?ナナセ…」


「店長!エルフィを覚えてますか?」


「そりゃ勿論…」


「私達は何で、あそこに行ったんでしたっけ?」


「世界樹を治しに…」



「世界樹は何の為にありました?」


「エルフィを守る為…」


「エルフィは何から守られてました?」


「魔物や色々な攻撃から…」


「世界樹は何の木でした?」


「桜の木…ソメイヨシノ…ってまさか!」


「そうです!桜の木を植えましょう!」



 そうだエルフィは、ソメイヨシノが守っていた。魔物や環境の異変からね。パラレルにある加護みたいな物だ。



「取り合えず、新しく出来た水源の近くに、苗木を買ってきて植えましょう!」


「そうだね!肥料とかもついでにね!」


「急にノリノリじゃない」


「お姉ちゃんは、見てないからね。あの状況を。世界樹は桜だよ?きっと、ここでも何かしらの効果が、期待できるよ。また皆にさ、協力して貰って魔力も入れて貰おうよ!」



 僕達は、すぐに苗木を買いに行った。ホームセンターにね。



※※※



 速攻で僕達は買い物をし、戻ってきた。まだアントレン様達は帰ってこないが、早速僕達は作業に入る。



「この辺で良いか…」


「じゃあ、砂を掘っていきましょう!」


「じゃあ、皆でお願いね」


「「「「「おう!」」」」」



 気が付けば、男性陣が手伝っていた。隊長の子分達だ…。昨日の頑張りの結果だな…。



「よし、こっちの土と肥料も混ぜておこう」


「キクチさん!私達にも手伝わせて下さい!」


「あっありがとうございます…」



 今度は女性陣が手伝ってくれる。きっと自分達も、何かしたいんだろうな…。



「僕達の仕事が無いね…」


「そうね…」


「まぁ喜んでるみたいですから!」



 この集落の可能性に気付いたから、嬉しくて動かずにはいられないのかもね。



※※※



「よし!これで完成ですね!」


「店長!違いますよ!これからこの小さい苗木に、皆さんの魔力を入れて貰わないと!」


「そうだったね…じゃあお願いしますか」



 そして、皆がナナセさんの指示に合わせて、魔力を入れていく。皆も初めての経験らしく、少し戸惑いながらもやってくれる。



「生命力を高めるイメージで!」


「はいっ!」


「この集落を守るイメージで!」


「「はいっ!」」


「自分達の…子供達の…未来を作るイメージで!」


「「「「「はいっ!」」」」」



 気が付けば、小さな子供まで…。軍隊の様だよ。そして気のせいか苗木が…。



「少し大きくなってない?」


「あれ、本当だ…」


「そんなバカな…」


「皆も見てないで!協力して!もっと大きくするよ!」



 明らかに育っている…。ソメイヨシノ強し…。そこで…。



「面白い事やってるじゃないか」


「何ですかこれは?」



 アントレン様達が帰ってきた。砂障壁の結果も聞きたいけど…。



「アントレン様!エルフィの時みたいな事ですよ!魔力余ってるでしょ?今すぐ協力して下さい!」


「おっおう」


「エレーカシさん達も、ボーッとしてないで!」


「はっはいっ!」



 ナナセさんに急かされ、すぐに魔力を与える。色々大変な事してきたはずなのに、こき使ってすいません…。



※※※



「嘘でしょ…」


「お姉ちゃん、驚いた?」


「当たり前でしょ…まさか咲くなんて…」



 桜は咲いた。まだ世界樹の様な、大きな桜にはなってないが、普通の桜の大きさにはなっている。僕も驚いたよ。



「アントレン様…どうですか?エルフィの様になってます?」


「ああ、信じられないがな…この集落には結界が張られている…そこそこの大きさにはなってるな…」


「ほっ本当だ!砂が舞ってない!」


「かなり…空気も吸いやすいぞ!」


「やったー!」



 そこで歓喜の声が上がる。よし!これでまた変わってくるぞ!



「上手くいけば、草木も生えて砂漠化も治まるはずです!」


「ああ、そうだな…でも砂障壁の話もあるからな…」


「僕達も色々と考えました…そして…問題が…」


「じゃあ話を擦り合わせるか…」



 そしてまた僕達は、エレーカシさんの家に集まって話をする事に…。今後の動きは、さてどうなる?



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