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異世界美容室  作者: きゆたく
三年目、異世界大陸革命編
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異世界美容室パラレル、閉店


 とうとう皆との別れの時間だ。もうすぐパラレルは、この世界から消える。その最後にまた皆は集まってくれた。



「妾はいつか見事な美容師になるのじゃ!」


「サハラ様…きっとなれますよ」


「いつか、君達の漫画を描くよ。この世界の為にしてきた事をね」


「マガジャさん…カッコ良くお願いしますよ!」


「私に…新しい道標を作ってくれて、ありがとう」


「ミナラーさん、新しいお店を任せますよ!」



 最後の挨拶を順番にしていく。この世界で僕が関わった人達だ。教会の人達や、孤児院の子供達もいる。



「私が教えをしっかり守り、広めますから」


「サッパーリ様もたまには、ヌーヌーラ共和国に帰ったらどうですか?ウルルさんや、チノピン様も迷惑じゃ無いの?」


「キクチ兄ちゃん、いつかまた会おうな!」


「そうなる事を祈ってるよ。エライナさん達に迷惑掛けないようにね。美化ギルドも頑張って!」



 そして各ギルドや、商会とも挨拶をした。マイさんや、ナナセさんもだ。本当に名残惜しい。皆、涙を堪えている。



※※※



 そして、各国との挨拶も終わり、とうとう時間だ。



「これ、持っていけ!餞別だ!」


「サイトウさん、何ですか?マジックバッグですか?」


「魔道具や魔単車、魔動車も入ってる。他にも色々な」


「日本に持ち帰っても…」


「いつか必要になる気がしてな!」



 まぁ良いか…。使う機会は無いかもだけど…。その言葉、信じてみようかな。



「アントレン…またな…」


「ああ…タハラシ…いつかな…」



 二人は抱擁しあう。再び出会う…それが一生無い事もわかっている。でも二人は繋がっている。



「お姉ちゃん、良かったね!」


「ふふっ、なんの事?」


「とぼけちゃって!」



 アントレン様をマイさんは受け入れた。今後どうなるかは、まだわからないけどね。



「俺の母親にも、いつかまた会いに行ってくれよな」


「カズヤ…わかってるわ。必ず会いに行く」



 二人も元夫婦だ。色々と思う事はあるだろう。そして皆とも最後のお別れだ。



「そろそろ時間ですね…」


「ああ、キクチさよならだ。この国を、世界を助けてくれて、ありがとう」


「ジーク様、こちらこそですよ。ありがとうございました」



 僕達は店に入る。皆は店の外だ。お店の窓を開け、皆に手を振りながら精一杯僕達は叫ぶ。



「皆さん!本当にありがとうございました!三年間、凄く凄く楽しかったです!」


「私もありがとう!二つ名に恥じない生き方をしてね!皆!最高だったよ!」


「私の生徒達!この世界の美容文化を任せたよ!皆オシャレに生きてね!」



 僕達は涙を流しながら叫ぶ。向こうの皆も泣いている。



「ありがとう!」


「元気でな!」


「いつかまた飲もうぜ!」


「ありが…」


「楽しかっ…」


「…」



 外の視界が歪み始める。声も届かない…。そして外の景色は…。



「日本に戻っちゃったね…」


「はい…店長…」


「そうね…」


「あっあっあー俺の声は聞こえますかーオーイ」



 外は日本。夜の十二時。パラレルは四年目を迎えた。嬉しくもあり、寂しくもある…。ていうかアントレン様は何を…。



「まさか声が…通じる?」


「ああ、そうみたいだな」


「リリーシュ様も、粋な事しますね!」


「感動のお別れが、拍子抜けよ」


「またまた嬉しい癖に!」


「ナナセッ!」



 そんなやり取りをしつつも、まだ寂しさは残る。夜も遅いので、今日は皆で僕の家に泊まっていく。まぁアントレン様は、ずっとかもだけどね。明日からの事は、明日考えよう。



※※※



 そして朝。今日から日本で、パラレルは営業開始だ。といっても少しお休みしてからとは、思ってるけどね。そして改めて窓の景色を見てみる。サロンの街とは違う、昼間の日本も久々だしね。



「サロンの街とは違って…えっ?」


「店長…おはようござっ…へっ?」


「どうしたの、二人して…はっ?」


「おーっす。今日から日本に、慣れていかなきゃだからな、あれ?外はこんな感じだったっけ?」



 僕達は驚く…。外が日本じゃないよ…。まさか…。



「ちょっとこれ日本じゃないよ!どこだ?」


「ていうか…砂漠ね…街とは言えなそうね…集落って感じよ」


「どうなってるんですか?店長?」


「えっ?そうなの?日本じゃない?」


「リリーシュ様が、やりやがったな…どこだよここは…」



 皆も考えるが、わからない。まずは探索からだね…。やってくれたよリリーシュ様!まさか、新しい土地で異世界美容室開店とはね!でも楽しみでもある。さーて、やってやりますか!



終わりではありません。また始めます。少し休んでから再スタートのつもりです。

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