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可愛く見せちゃいけないの(五十首詠)

01 かくすれども いずれかおには あらわれて こいとのろいは ただうらがえし(こころ)

02 刷り込みは古えの人 この恋は母も通りし茨の道よ(親子)

03 あなたがたが毀した姉が今日も吐く 正気留めてゲエゲエと吐く(此花)

04 幸せは一筋縄で買へざるもの 隣り合わせに何時もゐるもの(虚心)

05 日焼け灯を甘くみたよ一日後チクチク痛い腫れの赤色スタンレー

06 防虫剤いづれにせむかいと迷ふ 結局例の同じ銘柄スキンガード

07 馬鹿なんじゃないかと思う アサイラムとサンクチュアリの狭間を眺め(一線)

08 救急の音が重なる 人だかり 遠近前後の朝掻き混ぜる(主観)

09 炎天の風のみ涼し河川敷 球追ふ子らの真黄色の声(多摩川)

10 迷ひ道を気楽に進め 今となりゃ引き返すにはいと遅過ぐれば(肝)   

11 真夜中に光る影あり 揺れ動く鏡面反射の数のみが増え(不吉)

12 袖の香は移りにけりな つきもまた 情けにずる色な忘れそ(別れ)

13 羽抜鶏猫も狙わぬ真昼頃 夏空を割る二丁拳銃(午睡)

14 夏茜都のお池訪ぬらむ 鄙に五年いつとせ熊の栗棚(望都)

15 嘉祥餅食したまふや青天井 ひじりの知らず すなほならねば(まつりごと)

16 噺家の蕎麦啜る音唾寄せて 人にいやはえしはぶかふ稚児(隣)

17 夕間暮れ鳥こそ知らめ 線上に止まる先より無き音聞こゆ(五線譜)

18 老人がポツリポツリと公園で無音で同じ動きする朝(ラジオ体操/イヤホン)

19 近隣のぢぢや二人と擦れ違ふ ジャズ降る夜の蛍舞うさと(生田緑地)

20 時至り工場が消え 通勤に慣れ親しんだビワの木も消え(N製作所)

21 久々にフルメイドしたら暑かった。驚かせた人、ごめんなさいです。(いたはし)

22 一振りで効かない薬味 盗人の行李に隠す都の議会かな(押収)

23 悠然も超然もなく蝶が行く 蜜を吸うのは生殖のため(自然公園) 

24 AIにあたはぬことを論ふ 儘あたひたることとも知らず(あはれ)

25 パンの香りケーキの香り焼菓子の香り 混じるな魚の香り(香り)

26 今はもう何処にもいない 憧れを辿り探せば痕跡はある(過去)

27 上谷戸かさやとは、まず読めないし、慣れないな。バードウォッチの小父様多数。(朝)

28 ゆめに見る小さきこぶし 只熱く秘めたる想ひ伝ふるごとく(よみうりランド)

29 隣り合ふ死けふは白し ぱぞぱぞと風に揺られて我より遠き(歌人)

30 行李より覘く青指色香吸ひ 屋に満ちし彩非色に変へき(ブロマイド)

31 一つ目の切り取る時間 八畳の襖の影の少女のエロス(写真)

32 いきをよみきいてかんじてさかしらなひとのことのはおとのみたべる(かけことばいっぱい)

33 街角に二つ立つる死 ゆらゆらと遊ぶ相手を物色したり(日常)

34 姿見に飴玉男 あと一度唱えむにすれど舌の震へる(キャンディーマン)

35 死を覓むるをのこの一人 軸上に羽根とひかりの振り撒きたるか(幸福)

36 還暦を過ぎて一入幸せなシェンカーという形容矛盾(TOR)

37 一瞬のわたしが本に停滞す 君に読まれる日を待ち焦がる(変る)

38 内出血の痣が広がりもう三日 痛くはないが見た目が悪い(滑る)

39 暑くて気持ち悪くなる感じは久々 空暗いから雨降れ(願い)

   あつくてき/もちわるくなる/かんじはひ/さびさそらくら/いからあめふれ

40 本棚の上ではなくて重なった本らの上に横になる猫(気楽)

41 旋律メロディーを奏でぬ独奏ソロとどちの輪と寺院の石に神も宿るや(熾天使)

42 機関車に乗りて町まで至る人 迎へに駅まで歩みたる人(恋)

43 わたしは白黒コピーでやったけど 色コピーなら もっとバレない(騙し絵)

   わたしはし/ろくろこぴー/でやったけど/いろこぴーなら/もっとばれない

44 新作を亀の歩みで進めつつ文体違いの旧作直す(休日)

45 肉はまずなりて体臭薄くなり 暑き日々にはありがたきこと(汗) 

47 小田急の地下は暑くてさあ大変 京王線には冷房がある(下北沢/調布)

48 朝早く兎のようにぴょこぴょこと長い階段降りるオジサン(駅)

49 夏に向けをみならの脚細くなり時と地域に彩り添える(戦場)

50 はじめよりかわいきこにはわからなし みをかへてさへほしきおもひを(きもち) 


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