過去形
愛してる
愛してる
可愛い娘
その小さな手
柔らかい頬
あどけない目
私を甘くお母さんと呼ぶ声
甘える声
優しい声
切ない声
歌うように
花咲くように
可愛い声が歌を歌った
愛してる
愛してる
白いその肌
プクプクとした
張りのいい手
手にできたえくぼ
眠そうな目
嬉しそうな声
桜井さんが大好きだった
ボカロが大好きだった
青エクがすきだった
RPGが好きだった
あなたの何もかもかが
大好き
ちょっと猫背な歩き方も
お母さんにおいしいカフェオレを作ってくれたね
お母さん似にてコーヒーが好きだったから
お母さんの好きなコーヒーを上手に入れてくれた
あなたのすらっとした綺麗な手
あなたのお父さんによく似た切れ長の目
みんなみんな大好きだった
なんで
過去形なんだろう
こんなに大好きで
あなたのことばかり考えているのに
なんで
なんで
過去形なんだろう
今も白い箱の中の
骨が立ち上がって
肉が戻って
あなたが生き返る方法を考えているはずなのに
どうして
あなたを思い出す言葉は過去形になってしまうんだろう
ああ
でも
愛してるだけは過去形じゃない
○○○
愛してるよ
本当だよ
お母さんの可愛い末っ子
愛してる