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ENDよければ何とやら  作者: 星野夜
第1章
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5話目『人生も勉強もSIGN・COSIGN・TANGENTで。』

 ゴホン…えーとなぁ…言いずれぇ事なんだけどよ、4話目の後書きで俺が星野夜をぶちのめしたのは…知ってるよな?それで、星野夜が再起不能になっちまってな。今回は主人公の俺(兎姫)が前書きを務めさせてもらうことになった。

 …確かに、こうして、前書きを考えてみるものの…あいつ(星野夜)と同じで、まったく思いつかねぇ。

海美「だと思った。兎姫さんは感想を書くことが大嫌いですもんね。」

 っせぇんだよ!そんなんどーでも良いだろうが!問題はな、この前書きをどうやって終わらすかだ!一同、しばらく考えろ。

 それから数分後…。

 もう考え付いただろ。海美、何かあるか?

海美「はいはーい!前書きを書いた事にしなければ良いんじゃないんですか?」

 おおっ!それは良い案だ!

直樹「馬鹿!だったら、この前書き書いてる意味ねぇだろ!」

 そんなお前はどーなんだ、直樹?良い案じゃなかったら、ぶっ倒すっ!

直樹「そんなにプレッシャーかけんなよ…。えっと…じゃあ、ゴーストライターってのは?」

 おー、直樹のわりには良い答案だ。

海美「それ、犯罪!」

響「仕方ねぇな。俺が纏めてやるよ。」

響「えー、この前書きは五秒後、自動的に消滅します。」

海美「それはパクリネタでしょうが!」

響「ああ?気にすんな、バレなきゃ、問題じゃないだろ?」

海美「ここに投稿されてる時点でOUTだよ。」

 まったく、どいつもこいつも使えねぇな。俺が結局終わらす羽目になったじゃねぇか。

 …えーと、じゃあ、本文をどうぞ。

海美「いつもより元気ないね、兎姫。」

 木曜日の放課後、救世部の室内は…以下省略。皆さん、もうお分かりでしょう。

 兎姫はソファーで寝転がりながら、

「…直樹、ちょっと蹴って良い?」

「良くない。…暇だからって俺に当たるな。」

直樹は机に突っ伏し、そう答えた。

「良いだろ?どーせ、減るもんじゃないんだし。」

「良くないって。減るんだよ、俺の心の中の何かが。」

「お前の心中なんて空き缶同然だろ?」

 そんな時、お決まりの工程の様に、部室の扉が開いた。一人の不良男子学生だ。

「おい、俺の宿題を手伝ってくれよ。」

 兎姫は読んでいた漫画を投げ飛ばし、首だけ動かして言った。

「こっちはな、何でも屋じゃねぇんだよ。宿題ぐらい一人で終わらせろよ。」

「何だと?ここは悩んでる生徒を助ける部活じゃねぇのかよ!そう聞いたから来てやったのに、気落―――」

 その瞬間、兎姫は立ち上がり、飛び蹴りを決めた!が、何と響がその蹴りを片手で受け止めた!

「響、邪魔すんな!」

「兎姫、依頼人には優しく、な?」

 妙な雰囲気の響。兎姫の行動を傍観していた響だったのに、今日はなぜか兎姫の攻撃を止めた。

「オメェ、この脳無し野郎の友達って事か?」

 響は笑顔で言う。

「違うな。お前が手を汚すほどの相手じゃねぇと思ってな。」

 次の瞬間、響の右拳が依頼人の不良の顔にヒットした!不良学生は後退した。

「あれぇ?!響さん、依頼人に優しくするのでは?!」

「ってぇな!ぶっ殺すぞ、テメェ!」

「やってみろよ、雑魚。」

 響の鋭い眼光に、不良は怯んだ。

「ちっ!何だよ、お前ら。依頼人を贔屓すんのか?!」

 兎姫は電子タバコを吸いながら、不良の前に出て言った。

「いいや、贔屓はしねぇ。だってよぉ、ここに来たほとんどの奴は、俺らのうさ晴らしとして殴られる。お前だけじゃねぇよ、顔面攻めされてんのは。皆が皆、殴られてんだよ。そう言う訳だ、納得したか?」

「納得できるかぁ!うさ晴らしは兎姫さんだけでしょうが!」

と、海美は突っ込んだ。

 急に直樹は、不良の持ってる宿題を奪った。

「テメ、何すんだ?!」

「お前が頼んだんだろ?だから実行してやるって言ってんだよ。兎姫、今回の依頼は俺に任せてくれ!」

 兎姫は直樹を睨みつける。

「ほぉー、新入部員の割に生意気なガキだな。…気に食わねぇ。だが、直樹、お前の本のページ数がまた増えたぞ。仕方ねぇ、俺も手伝ってやらぁ。って事で、雑魚は出てけよ、出来損ない!」

 兎姫は不良を廊下に突き飛ばした!

「テメェら!答えが一問でも間違ってたら、訴えるからな!」

そう言って、不良は逃げるように去っていった。

「聞いたかよ、直樹。不良が訴えるとか言ってたな。あれでも不良かよ?本当に兎姫の言う通り、出来損ないだ。もう世も末だな。」

「さぁ、皆さん。早く宿題を終わらせましょう。」

 直樹は机の上に数学の問題を開いて置いた。

 直樹は問題の一つを読み上げる。

「問題、次の問いに答えなさい。角度が90度以上の角、90度以下の角、90度の角をそれぞれ何と言うか?」

 兎姫は答える。

「何だよ、クソ簡単な問題じゃねぇか。こんな幼稚な問題を俺に出しても遊びでしかねぇぜ。答えはこうだ。90度以上がウェルダン、90度以下がレア、90度がミディアムだろ?」

「何で肉の焼き加減の階級?!違いますよ、兎姫さん。90度以上がRICH、90度以下がPOOR、90度がBALANCEですよ。」

「あ、そうか。流石は海美。」

「って両方共、ちげぇし!響、お前が二人に教えてやれよ。」

「ああ。海美、それを言うならな、90度以上が大富豪、90度以下が大貧民、90度が平民だろ?」

「オメェもちげぇんだよ!俺が書くから見てろ!」

 直樹はシャーペンで答えを書き残した。

「90度以上が鈍角、90度以下が鋭角、90度が直角だ。」

 3人はその答えを眺め、曖昧な表情になる。

「おいおい、何だよ?間違ってはないだろ?」

 兎姫は言う。

「何か、真面目過ぎて面白くねぇと言うか…。」

「宿題に面白さを求めるな!」

 直樹は次の問題を読む。

「問題、次の計算を解きなさい。11+12+13+14+15+1―――」

「うっせぇっ!」

 兎姫の拳が直樹にヒットし、直樹は地面に倒れた。

「要するに、11から20まで足せって事だろうが!最初からそう言え!めんどくせぇだろうが!」

「まぁまぁ、兎姫さん、落ち着いてください!分かりますよ、宿題はイラつきますからね!」

「まったくだ!誰か足し算得意な人―。」

 響の手が上がった。

「良っしゃあ!響、ズバッと決め込め!」

「簡単だろうがこんな問題。朝飯前。答えは正の数だ!」

「え?響さん、何と?」

「だから、答えは正のす―――」

「そんなの分かってらぁ!」

 兎姫は蹴り込んだが、響はそれを避ける。その時、倒れていた直樹が立ち上がったため、直樹の顔面に蹴りがヒットし、直樹はもう一度倒れ込んだ。

「あ、わりぃ、直樹。」

「響さん、これは意外に簡単ですよ。答えは155ですよ。」

 兎姫は計算機で即座に計算した。

「…合ってる…。海美、お前どうやって…。」

 唖然とする兎姫。

「簡単な話ですよ。」

 さぁ、ここで海美先生の雑学講座!

 実はですね、今回のような連続的計算に関して…得に10個の連続した自然数の足し算には、裏ワザが存在するんですよ。知ってる人は知ってる計算法です。

【(X-4)+(X-3)+(X-2)+(X-1)+X+(X+1)+(X+2)+(X+3)+(X+4)+(X+5)=10X+5】

 まぁ、パッと見、分からないと思うんですが…。xは五番目に位置する数。今回の場合は…15です。『10x+5』は答えになります。x=15なので、『10x+5』に代入しますと…10×15+5=155です。つまり、連続した10個の自然数を足す時の計算は五番目の数を10倍して5足した数、という訳です。簡単に言いますと、五番目の数の後ろに5を付けるだけで十分です。15の後ろに5を付けると155です。『五番目の数の後ろに5を付ける!』のが、ポイントですね。

 じゃあ、私からの問題。1254から1263までの自然数を全て足した場合、答えはどうなるでしょうか?

 以上、海美先生の雑学講座でした。

「って訳です。どうですか?」

これを聞いた3人は驚嘆する。

「すっげぇ!マジじゃん!海美、お前、すげぇな!」

と、露骨に興奮する兎姫。

「そうですか?」

 実は、ネットで見つけてきた話題なんだけどね。

「良し、次の問題だ!」

 直樹は次の問題を読み上げた。

「問題、ここに、りんごが13個あります。その前には3人の人物が。Aがりんごを一つ食べました。Bがりんごをカットして半分食べました。その時、カラスはやって来てりんごを2つほど取られました。Cがりんごを一つ食べました。残りのりんごを3人で平等に分けるためには、どうすればいいでしょうか?」

「簡単じゃねぇか!」

「本当ですか、兎姫さん。さっきと同じパターンじゃないんですか?」

「俺をなめんな、イザと言う時は本当の力を発揮する。さっきまでのは単なるお遊びだ。これからが本番だぜ!答えは『カラスをぶちのめして、りんごを取り戻す!』だ!」

「ちげぇよ、馬鹿!答えは『半分のりんごをBが食って、残りは海へ投げ捨てる!』だろ!」

「兎姫さんも直樹も、二人共、違いますよ!」

「なぜ?!だって、平等に分けただろ?」

と、傾げる直樹。

「だってさ、『残りのりんごを3人で平等に分けるためには、』って言ってるじゃん。捨てるのはNGでしょ。食料がもったいない。正解は『半分をBに。残りの8個をそれぞれ3等分にして合計24個。これを8個ずつ食べる』です。」

「はぁ!カットありかよ!ハメてきやがった、この問題め!侮れん!直樹、数学は後回しだ!理科にしようぜ!」

 直樹は理科の問題集を開いた。

「問題、この記号は何か?1問目、Pd。2問目、Mg。3問目、Db。4問目、Br。5問目、Os。」

「今回こそ、数学みてぇなズルはしねぇはずだ!出来る訳ないからな!俺に任せろ!」

 兎姫はシャーペンで答えを書き記した。

 Pd、パ○ドラ。

 Mg、メ○ルギア○リッド。

 Db、ドラ○ンボール。

 Br、ブラックラ○ーン。

 Os、終わりのセ○フ。

「全部、アニメとゲームに変換?!兎姫さん、著作権管理団体に訴えられますから!程々にしてくださいよ!」

「良いんだよ!ほら、見ろよ。名前に○を入れてやってるだろ?だから、これは本作のあれとは違うんだよ!」

「はぁ~…兎姫、しっかりやろうぜ。これが答えだ。」

 直樹は答案を書き換えた。

 Pd、パラジウム。

 Mg、マグネシウム。

 Db、ドブニウム。

 Br、臭素。

 Os、オスミウム。

「直樹!理科が得意だったの?!」

と、驚いて訊く海美。

「なっ何もそこまで驚くことかよ。俺だって、こう見えても勉強くらいはできんだよ。」

「じゃあ、残りの宿題も直樹一人で十分だな?」

兎姫は悪そうな顔つきで訊いた。

「って、面倒臭いからって、俺に全て擦り付けんな!」

「えー、駄目か?」

「駄目だ!次行くぞ!問題、葉の裏の―――」

 こうして救世部は不良の宿題を終わらせました。


 帰り道、海美は兎姫に訊いた。

「兎姫さん、あれで大丈夫でしょうか?」

「…さぁな。でもよ、宿題を頼んできたあいつが悪い。」

「とうとう依頼人を敵にした!」

「どーせ、ほとんど間違ってんだろ?でも良いんだよ、人は間違いをして成長してゆくからな。」

「いや、間違えたのは私達ですから!依頼人は一切成長してませんから!」

「…まぁ…どうでもいいや。宿題のできないあいつの自業自得だ。頭の悪い自分を恨め。」

 次の日、その不良生徒は職員室に呼ばれて行きました。理由はご想像にお任せ致します。


 未だに星野夜は再起不能。そんなもんで、俺が後書きを書く事となった。

 しかしな、前書きと同じく、さっぱりなんだ。誰か、良い案持ってねぇのか?

不良「テメェ、兎姫!俺の宿題、どういう事だ!」

 ああ?!今はオメェなんかを相手してる暇はねぇ!とっとと失せろ!

不良「宿題の件、あれは見逃してやる。俺がここに来た理由は、テメェらに良い案をぶち込みに来た!それだけだ!」

響「雑魚が良い度胸だ。兎姫、分かってんだろ?俺が今考えてる事をよぉ。」

 ああ、とーぜんだ。

 兎姫のオールが不良の顔面にヒットした!

 こうして、2対1の圧倒的不利だろう喧嘩?いいや、いじめが始まった。

海美「あの二人は気にせず、フィリの話を始めるよ♪」


4話目『絶体絶命』


 良い作戦が思いつかず、戸惑うフィリ。そんなフィリに奥の人物が気づいた!

「やあ、元気かい?」

その声から察するに、その人物は男。年齢は30代くらい。

「なっな…何ですか?何が目的で…。」

フィリは怯えて訊いた。

 男は言う。

「目的…そうだな、お前の血だなー。」

「血?!そっその、それを、どう、するつもりで…。」

「俺はな、吸血鬼なんだよぉ~。」

 月明かりに照らされ、男の口に光る鋭牙が輝いた。

 もし、男が本当の吸血鬼ならば、フィリはこのまま殺されてしまう。どうする、フィリ?

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