23話目『REQUIRE?』
はい、一か月ぶりの投稿になりまーす。見てくれてる人、いないんだろうけど…頑張ってますよ、人並みにwww
僕は星野夜です、知ってる人…いないんでしょうけどwww
今回は23話目になりますが…初めてタイトルに『?』を入れましたよ。
え?だから何だって?…まぁ、いいじゃないですか、ただの好奇心ですから。
雑談はこれぐらいにして、そろそろ本編に移りましょうか。
どうせ…独り言なんだろうけど…w
すっかり疲れて無気力状態の兎姫。制服のネクタイはしっかりと締まってなく、シャツも服の中から飛び出ていた。靴紐も結ばれていたものが解けて紐が地面を擦っている。ダラダラとした格好で兎姫は部室に戻ってきた。扉を気だるそうに開く。そこには依頼者と見られる人間が数人。一人はソファーに眠り老けている。もう一人は静かに読書中。最後の一人はこちらに気付いて立ち上がった。
「…お前ら、何してんの?」
「あ、もしかして救世部員の兎姫さん?私、月山光って言います。向こうの本を読んでいる人が―――」
「鳩ヶ谷澪奈です。」
「そう鳩ヶ谷さん。…で、向こうのソファーで眠ってるのが野猫三さんです。みんな、依頼をしに来たんですが、誰もいなかったので待つことにしたのです。」
「あっそう。で?待つってのは―――」
兎姫は眠っている野猫の腹に踵落としを決め込んだ!野猫は横腹にクリーンヒットして飛び起き、地面に倒れた。息ができなくて苦しく呻いている。
「待つのには、眠るってもんは含まれてんのか、んん?」
光は兎姫の行為に驚いて目を丸くしていた。澪奈はまるで知ってたかのように、本を閉じず、冷静に目線だけ送っていた。
「俺はな、疲れきってんだよ。そこは俺の定位置(縄張り)だ。」
兎姫は空いたソファーに寝転がる。
「よぉ、俺が救世部部長の兎姫だ。依頼ってのは一体何だ?」
野猫三が怒って立ち上がる。
「何す―――」
野猫の体が吹き飛んで壁にぶつかり倒れた。兎姫が殴ったのだ。
「お前、邪魔だ。俺はあいつらの依頼から訊いてんだよ。野良猫はとっととお魚咥えて旅立ちな。」
光は開いた口が閉じなかった。相変わらず澪奈は冷静に読書を続けている。野猫は力尽きて地面に倒れ込んでいた。
「…あ、あいつはほっとけ。後で俺が始末しておく。それより、お前の依頼は何だ?」
兎姫は月山光に連れられてグラウンドにやって来た。乾燥した茶色の地面の上、数人のユニフォームを着たサッカー部員がサッカーの練習をしている。
「てことで、兎姫さんにサッカーをして欲しいわけです。」
光はごく普通の口調でそう言った。兎姫はそれを聞いて頭を抱える。
「…何で俺なんだよ?…こういうのは男がやるもんだろ。」
「だって兎姫さんは男みたいなもんじゃ―――」
「誰が男だぁ!」
兎姫の蹴りが光をなぎ倒した。
「いててて…でも、体力あるでしょう?そう聞きました。直樹さんが、「兎姫は男だから体力には問題ねぇ」って―――」
「誰が男だぁ!」
兎姫は踵落としを繰り出すが、光は先を読み、転がって避け、立ち上がった。
「まぁまぁ…サッカー部は人気がなくて人員が少ないんですよ。お願いします。」
兎姫は大きく溜息を吐いて肩を落とす。
「言っただろ?疲れてんだよ…。それに、なぜ女子の俺なんかに…。」
「救世部は何でも引き受ける…がモットーだから?」
光はふわっとした笑顔でそう言う。兎姫は光を睨みつける。
「分かったよ、仕方ねぇ。だが、報酬は倍請求してやるからな!」
光は兎姫が了承したのを聞くと、サッカー部員たちに兎姫がシフトすることを説明しに行った。部員の声が聞こえてくる。
「はぁ?あのひょろい女が代役だと?冗談かよ?」
直後、その言葉を発した部員が吹っ飛んで地面に背中を打ち付けた。気に食わなかったようで、兎姫がその部員を殴り飛ばしたのだ。最近、良く暴れているが、今日は疲労とイラつきで凶暴化していた。その様子を見ていた他の部員は皆、真っ青な顔で引き下がっていた。
「ひょろいだと?お前一人を伸すのに一秒も必要ない。黙ってねぇと地に還すぞ?」
殴られた部員は恐怖で後ずさっている。頬が殴られて赤い。
そんな兎姫の前にサッカー部部長、久々野が立った。
「噂には聞いていたが、やはりリアルで見るとすげぇもんだな。何だったか…『不良潰しの―――」
瞬間、兎姫の拳が放たれたが、久々野は紙一重で避け、腕を掴んだ。
「『不良潰しの獄兎』か。…鋭く冷たい一撃だが…甘いな。」
その数秒後、視界が反転して背中に強い衝撃を受けた兎姫。瞬間的に久々野に倒されたのだ。それは柔道の技、背負投げだ。
「今回は殴り合いじゃない。正式なルールに則った、試合だ。今日、お前は拳を振るうのではなく、足を振るえ。敵を殴り飛ばすのではなく、ボールを蹴り飛ばせ。それができねぇなら、お前は失格。『不良潰しの獄兎』は所詮それだけという事だな。」
久々野が仰向けに倒れている兎姫を見下して言った。兎姫は不貞腐れてそっぽを向いて、
「分かったよ、サッカー部部長『赤黒束帯』。」
そう言った。
ちなみに、『赤黒束帯』というのは久々野の愛称?みたいなもの。兎姫は喧嘩が強く、不良をぶちのめしていた事から『不良潰しの獄兎』と周りから呼ばれているが、久々野の場合は、中学時代から柔道が得意で喧嘩に柔道を使っていた事から『赤黒束帯』と呼ばれている。相手の返り血によって赤く帯が染まるからだ。だが、高校三年になった久々野はもう喧嘩はしない。
「さ、お前らも練習に戻れよ!あと5分で試合だからな!」
久々野は手を叩いて部員を練習に戻した。光は兎姫を起こす。兎姫は不貞腐れて頬を膨らませていた。
直樹は氷見先生に車で送られて学校へと戻ってきた。海美を病院へと送った帰りだ。救世部の扉を開くと、そこには二人の人物がいた。
「…誰?依頼人?」
「…救世部員の直樹さん…ですか?私は依頼をしに来た鳩ヶ谷澪奈と申します。」
澪奈という名前の女子は直樹に気づき、読んでいた本を閉じてそう挨拶した。黒髪で眼鏡をかけているインテリな女子だ。
「あ、どうも。…ところで、兎姫は…あ、部長はいなかった?」
「部長の兎姫さんは月山光さんの依頼をしに行っています。」
「あ、そういうこと。で、君の依頼は?」
兎姫がいない今、依頼を受けるのは直樹の役目。依頼を受けたことがほとんどない直樹。慣れない作業にぎこちない直樹。に対して、冷静且つ沈着な澪奈はキチッとした態度で依頼内容を説明した。
「…お、おぅ…なるほど、な。」
(思ったより深刻じゃねぇかぁ!…俺、で良いのか?…これ、俺が解決して良いのか?)
直樹はしばらく窓を眺めて何か頭の中で整理する。
「分かった!その依頼、引き受けた!」
そして、試合は始まった。兎姫は久々野のチームのディフェンスを任せられて不貞腐れている。圧倒的猪突猛進型の兎姫は確実にオフェンスに回るタイプ。防御なんてまずない。だが、柔道黒帯の久々野には逆らえない。どうせ返り討ちになるだけ。
ホイッスルが鳴り響き、試合は始まりを告げる。前方の味方がボールをドリブルで前へと進む。兎姫はその光景をボーッと黙ったまま見ていた。自分はディフェンダー、よって、動く必要はない、そう考えているからだ。
そうこうしているうちに、味方はボールを相手に取られ、相手がこちらへと攻めてきた。やっと兎姫の出番。兎姫はその敵の動きを観察する。敵が兎姫を抜こうとした、その瞬間を狙い、兎姫は利き足とは逆足でボールを弾き、敵の股下を通した!
「良しっ!作戦成功!」
呆気に取られている相手を無視して兎姫はボールをドリブルし、ディフェンダーにも関わらず、前線へと攻めだした!
「…あいつ、ディフェンダーだよな?」
久々野が首を傾げてその光景を眺めている。先ほどの兎姫の動きに、少し期待を持っているようだ。
兎姫は自慢の身体能力を活かして相手から逃げ切り、そしてキーパーの目の前でシュートを繰り出した!そのシュートは靴の先端部で蹴り上げたため、浮き上がってゴールの上ポストに当たって弾かれた。皆がちょっと期待外れという雰囲気になった時、弾かれたボールが兎姫の顔面にヒットした!兎姫は早くて反射が間に合わず、そのまま倒れた。部員は爆笑。
「いってぇ!クソ、何なんだよ?!」
立ち上がる兎姫。キーパーは落ちているボールを拾い上げ、遠くへとボールを蹴り上げた。それはたまたまタイミング良く立ち上がった兎姫の顔に当たり、兎姫は吹っ飛んで倒れた。
「馬鹿!そこで何してんだよ?!」
と、驚きキーパー。
「テメェ!後でぶっ殺す!」
と、イラつき度MAXの兎姫。
キーパーは再び、落ちているボールを拾う。それを蹴り上げ、試合は再開した。兎姫はムカついて怒りに任せ、発狂しながら突っ込んでいった。敵は驚いて飛び逃げる。兎姫はすぐさまボールを持って、キーパーへ。キーパーは身構える。
「これが最初で最後の得点にしてやる!氏に晒せ!」
兎姫は勢いそのままにボールを蹴ろうと滑走する。が、地面に埋まっていた石に足を躓き、転けてボールに顔面を打った!さすがに予想だにしなかったハプニング。兎姫は呻き声を上げて地面に転がる。
「これだからサッカーなんて嫌なんだァ!」
「兎姫、お前…ちょっとキーパーやってみろよ。」
久々野は兎姫にそう言った。兎姫は小さく舌打ちすると、キーパーの位置まで下がった。
敵のキーパーはボールを蹴り上げる。久々野は敵からボールを奪い取り、そのまま猛スピードで攻めていく。しかし、肝心のシュートはキーパーがナイスセイブで止められる。その様子をボーッと眺めている兎姫。ゴールのポストに寄りかかって座っていた。
その最中、敵が攻めてきた。エースストライカー的な選手が隙だらけの兎姫のゴールを狙う!兎姫は慌てて立ち上がるが遅い。ボールは兎姫とは逆のポストギリギリへ。しかし、運良くボールはポストに弾かれた。かと思うと、立ち上がった兎姫の顔面に飛んできてヒットした!反動で仰け反り、ポストに後頭部を打って倒れる兎姫。
「…ハハハハハハっ!アハハハハハハっ!」
ついにおかしくなった兎姫。倒れたまんま、大声で笑い始めた。
そして、兎姫は落ちているボールを拾い上げる。
「テメェら!喧嘩を売るなんざ、百年はえー事を教えてやらぁ!行くぞ、久々野!」
兎姫はボールを遠くへと蹴ろうと身構える。
「何だ…兎姫の奴、吹っ切れたか。良いぜ、行くぞ!お前ら!」
久々野はチームの仲間に指示をする。
(『不良潰しの獄兎』も案外できるや―――)
兎姫はボールを思い切り蹴り上げる。が、それはあらぬ方向へと吹き飛んでいった。フィールド上にいる選手、そしてベンチの選手皆が、高くどこかへと飛んでいくボールを見上げる。それは道路の方へと落ちていき、たまたまそこを歩いていた二人組の一人の顔面にクリーンヒットした!遠くからでも見えるぐらい鼻血を吹き出して倒れた。兎姫はその人物の所へと駆けてゆく。
「すまねぇ!大丈夫か?!…って、直樹じゃねぇか!何してんだよ、お前?!」
直樹はふらつきながら、何とか立ち上がる。鼻血が垂れて地面を赤く染めていた。
「オメェこそ何してくれてんだ?!部活をサボって遊んでんじゃねぇよ!こっちは依頼中だっつーの!危うく、俺が部活をサボる羽目になりそうだったぞ、バッカヤロー!」
直樹はティッシュで鼻血を拭き取り、そのまま歩き始めた。その後ろを一人の女子がついて行く。兎姫はその二人が過ぎ去るのを黙って見つめる。そして我に返り、ボールを拾ってフィールドへと戻っていった。
とある家の窓ガラスが大破する音が響いて、何かが二階のベランダから飛び出て路上に落下した。近くを歩いている人々がその落下物に注目する。
「ははは…ヤベェぞ、あいつ…。」
落下物、それは直樹。全身から出血している。
「…マジでこんなことしてたらお陀仏だぜ。ギャグでない限り、今ので俺、死んでるからな。生きてること事態スゲェことだからな。生きるより逝きるだからな!」
家の玄関から心配そうに澪奈が走ってきた。
「大丈夫ですか?!」
「…案の定って感じだぜ。兎姫に滅多打ちにされていて良かったぜ。耐久力が上がってるからな。」
直樹はふらついて立ち上がる。
今、直樹は澪奈の依頼をしている。不良化した弟をどうにかしようとしているのだ。弟は家の中で暴走中。そろそろ外に出てくる頃だ。
「へへ…年下にここまでやられちまうとは…。最近、不良が多いよな?あれって何なんだ、一体?どーしたら、あそこまで強くなれんだよ?脳筋共め。」
「いいえ、正直なところ、あなたは強い人だと思っています。力に頼らない人ほど、中は強いものですから。」
直樹は澪奈の言葉を聞いた後、再び家へと走り出した。しかし、入口へは行かず、近くの生えている木に登り始めた。
(兎姫はいつか、家の木から登って二階の寝室に侵入したことがあった。確か、引きこもりの妹を何とかする依頼の時に。)
木の上へと登りきると、直樹は家のベランダ、先ほど落下してきたそのベランダへと少し躊躇しながら飛び込んだ!空中に浮いた瞬間、何とか足が届くと思っていた直樹。しかし、着地の瞬間、ベランダの柵に足を引っ掛けて、顔面から着地した!嫌な音を立てて、直樹はベランダに不時着した。言葉にならないくらいの大打撃を受けて、直樹は悶絶する。澪奈が下から心配そうに見つめていた。
直樹は顔を押さえながら立ち上がる。押さえている手の隙間から血が流れているのが見える。
「おう、心配すんな…無事、だぜ…。」
直樹は澪奈に手を振る。澪奈は何かに向けて指を指していた。直樹は良く分からず、首を傾げる。その直後、直樹の肩に誰かの手が乗った。瞬間、表情が固まる直樹。
「よぉ~…まだ生きていたんだなぁ~…。」
「あはは…はははは―――」
直後、再び弟の顔面パンチを食らって道路へと落下していった。直樹は澪奈にぶつかって落ちた。
「いたたた…あ、ごめ―――」
その時、澪奈の目の前に一台の大型トラックが!直樹が当たった事によって車道へと出てしまった澪奈。ぶつかる瞬間を直樹は目にしていた。直樹は手を伸ばして澪奈の名前を叫ぶが、間に合わない。澪奈の身体にトラックの車体が当たる直前に、直樹は反射的に目を閉じてしまった。澪奈が轢かれる瞬間を見たくなかったから。二階のベランダにいる、姉の事なんかどうだっていいと思っていた弟も自然と目が車道へと向いていた。その直後の事、トラックのブレーキの音が響いて止んだ。
大型トラックが止まり、中から運転手が飛び出してきた。直樹が車道と歩道の間にへたり込んでいる。
「だだだだだだ、大丈夫かね、君?!」
直樹はボーッとしていてその言葉を完全に聞き取っていなかった。ただ、呆然としていた。すると、背後から弟が直樹の襟元を掴み、持ち上げた。
「テメェ!良くも姉を殺りやがったな!何で見殺しにしやがった!」
弟が激怒している。直樹は呆然としていてまるで屍のように動かなかった。
その瞬間だった。大型トラック後ろの倉庫部の壁を突き破って、暁理が飛び出てきた!暁理の手には澪奈の姿が!直樹と澪奈の弟の目の前まで飛んできて着地した。
「慌てて飛び出て大登場~♪やぁ、直樹!今のは危なかったねぇ~!」
直樹と弟は呆然と硬直していた。いきなりの事で反応しきれていない。何が起きたのか理解できていない様子だった。
「澪奈ちゃんは私達が助けたんだよ。」
暁理の背後から文芸・芸術部副部長の真昼が出現した。
実は、澪奈が轢かれる直前、真昼が小説クオリティーの力で暁理の時間間隔を遅らせ、瞬間的に動けるようにしたのだ。ゆえに、ありえない場所から、トラックの倉庫部から飛び出てきたのだ。
「ってナレーターが説明してくれたから。どう?力は使いようでしょう?」
直樹はホッとしたのか、力が抜けて倒れそうになる。弟はそんな直樹を受け止めた。
「…心配したぜ、澪奈…。良かった…生きていてくれてな…。どいつもこいつも…役に立ちやがって…。何で、お前ら、みんな…そんなに人助けが上手いんだよ?俺の代わり、やってくれないか?澪奈の弟さんよぉ…。あんた、不良になっても…死んじゃいねぇーだろ?姉を心配できんのはそういう事だろうが…。」
弟はそんな直樹を突き飛ばして倒した。
「うるせぇ…知らねぇよ…そんなもんは。俺はただ、警察にパクられんのはゴメンだって事だよ。」
弟は渋々、家へと帰っていった。
日が暮れ始める頃、直樹はボロボロの身体で部室に戻ってきた。部室には兎姫が一人、ソファーに寝転がって爆睡していた。その身体は直樹と同然、ボロボロだった。兎姫は月山光の依頼でサッカーをやらされたのだ。既に疲れていた身体に鞭打ち、無理やりサッカーを全力で行ったことにより、兎姫は疲労困憊で眠ってしまったのだ。ただでさえ、部員数の少ない非公認の部活動。いつもいるはずの海美はいなく、部室は物寂しいものとなっている。直樹はダラダラと机に突っ伏した。
そんな部室に、依頼者だった澪奈がやって来た。
「澪奈か…。そこの椅子、座って良いよ。」
直樹は目線だけ向けたまま、いつも海美が座っているソファー近くの椅子を指で示す。澪奈はその椅子に座った。
「ゴメンな、澪奈。…どうやら、俺の力じゃ…解決できないみたいだ。力不足でゴメン…。」
澪奈はちっとも悲しげな表情もせず、ただいつも通りの無表情で直樹を見る。
「あなたは十分頑張ったと思います。愚痴も反論もありません。それに―――」
澪奈はそこまで言うと、窓の外の景色を眺めて黙り込んだ。少しだけ口角が上がったように見えた。
「それに?」
「いいえ…もう特にはありません。ありがとうございました、直樹さん。」
澪奈は封筒を兎姫の前にある机に置いて、そのまま救世部を立ち去った。
直樹撲殺回でした。それではさよなら、またいつか!
(PS.あとがきめんどーだったから、簡略しましたw)