1話目『思い出をぶち壊す生徒の気が知れない。』
昨夜、主人公の兎姫にボコボコにぶちのめされた星野夜です(暗)。
色々と体の部位が破壊されたため、脳の発想力がダウンしております。
えーと、その…なんて言えばいいのやら。こう言う前書きってさ、具体的に何書けば言い訳?読者は皆、こう言う前書きって見る訳?…え、何々?
「見ない。」
見ない!なら、適当でも良いよねぇ~(笑)。って感じで、第一話、始まり始まり!
……ちょっとタイム。…何か…『始まり始まり』って始め方…何かヤダ。もっと、良い感じの始め方にしようか…。
…思いつかない…なら!ここは読者に想像してもらうって事で良いや(今、読者一人もいないんだけど・・・)
日が沈みかけ、空が真っ赤に染まる頃、部活がない学生は皆、楽しそうに下校していく。
とある部室、小さな個室の部屋に兎姫はいた。堂々と大きなソファーに寝転がって、漫画を見ている。その横に小さな椅子に座っている女子学生がいる。その学生は海美(みみ)と言う。フワフワした印象を持ち、天然質の女子。
「兎姫さん…このまま、これで良いんですか?」
不安気に海美は訊いた。
兎姫は漫画を投げ捨て、首を傾けて言った。
「あぁん?良いんだよ、そんなもん。この部活は人の悩みを解決すんのが本来の目的だろ?誰も来ねぇのは、誰も悩みがねぇって事だ。平和で良いんじゃねぇか?ふぁ~、暇…。」
兎姫はあくびをした。
「でも、これじゃあ部活が成り立たないのでは…。」
「あー、知らねぇな、そんな事。潰したかったら潰してみろよ。俺の邪魔する奴は、悪であろうと善であろうと、問答無用でぶっ潰す!」
兎姫はボートのオールを海美の眼前に構えた。
「あ、はは…あははは、そのやる気があれば、大丈夫…かな。」
「やる気?どちらかで言うと『殺る気』だろ?」
どこからか男子の声が。
「誰だ?!男なら隠れてねぇで出てきやがれ、チキン野郎!」
その時、部室の扉が開き、男子生徒が一人入って来た。直後、兎姫の拳が男子生徒の顔面に直撃し、男子生徒は廊下に吹き飛ばされた!
「あぁ?何だって?誰が殺る気満々だ、ボケェ!」
「思いっきり、殺る気満々だぁ~!」
と、海美は叫ぶ。
兎姫はオールを男の眼前に構えた。
「さぁ、1つ選びなさぁい。1番、このまま立ち去る!2番、俺にぶちのめされる!3番、謝罪!どれだ?!」
「てか、悩みを訊く選択し無いの!」
男子学生は顔を手で押さえ、
「馬鹿じゃねぇの!殺る気満々じゃんか!いってぇな!急に何すんだよ?!」
兎姫は目付きを尖らした。身も心も凍るような冷たい目付きだ。
「お前に質問権は無い!死に晒せぇっ!」
「兎姫さん!」
兎姫がオールを振り落とそうとしたのを海美は必死で止めた。男子は青ざめた表情で座り尽くしていた。
しばらくして兎姫は落ち着き、オールを置いた。
「はぁ~、スマンスマン、つい、カッとなってな。で、悩みは何だ?」
男子は怯えた状態で立ち上がった。
「…俺に質問権は無いんじゃ?」
カチンッ!
「テンメェ!」
兎姫のゼロ距離ストレートが男子の顔にヒットした!男子学生は壁に激突し、倒れ込んだ。悶絶している。
「結果的に選択肢2番になったぁ!」
海美が青ざめ、叫んだ。
「あぁ?…あいつが、そうさせたんだろうが。親切に訊いてやってるのに、こいつ、なめやがって。」
「まぁまぁ、そこを何とかさ。」
男子学生がフラつきながら立ち上がる。
「おっお前!じょ、常識あんのか!」
兎姫が睨みつけた。男子学生は身を竦める。
「気に食わないから殴る、文句あんのか?」
「文句しか無ぁいっ!」
海美は叫んだ。良いツッコミだ。
「ふんっ、気に食わねぇ奴だが、部活動の部長として訊いてやらぁ。さぁ、要件をとっとと言え!じゃねぇと、ミンチにすんぞ?」
兎姫は不自然に、良い笑顔でそう言った。それが余計に恐ろしい。
「訊く方側が上から目線って!兎姫さん、NGです!」
「あ、そうか。NG、DEATH、かー。」
「それじゃなくて!」
「あのー、俺の要件はー…。」
男子学生の声が小さく聞こえた。
「ああ、まだいたのか。で、要件は何だ?」
男子学生は小声で、
「あの…自分、直樹(なおき)って言います…。実は―――」
「ああ?!聞こえねぇぞ!男ならもっと、腹から声出さんかぁい!」
その週の休日、土曜日。二人は直樹の実家にやって来た。天候は快晴。風が少しだけ吹き抜ける。
「あぁ~あ、せっかくの休日が、何であいつの家なんかに行かなくちゃいけねぇんだ。俺はなぁ、こう見えても潔癖症なんだぞ!半分な!他人の、しかも全く知らねぇ赤の他人の実家なんて、クソ喰らえ!」
兎姫は直樹の家の柵を蹴った。
「まぁ、落ち着いて。兎姫さん。これも部活動の一環ですよ。さぁ、今日も頑張るぞー!」
海美はやる気満々のようだ。
「っせぇな、朝から良くもまぁ、そんなやる気出ますねぇー。面倒臭くてしょうがねぇ。」
兎姫はあくびをした。
「兎姫さん、直樹の情報によりますと、父は7時出勤。母は8時にデパートへ行くそうです!」
「今の時刻は?」
海美は腕時計を見る。
「午前7時30分です!」
「早いじゃねぇか!まだ、睡眠時間中なんだけどぉー。部活動ってこんなに早く、始めるもんかよ。顧問に訴えてやる!」
兎姫は柵をもう一度蹴った。
「しょうがないですよ、だって―――」
「だってもクソもあるか!」
「いや、今回のケースはしょうがないの。だってさ、直樹さんの実家、隙がたった1時間だけですよ。」
「だからって、こんな早くにスタンバってる必要あるか?」
「あります!今回の解決法は危険ですよ。兎姫さん、大丈夫なんですか?」
兎姫は直樹の実家の最上階を見つめ、
「ああ、問題ないだろう。いざとなれば、仲間を売るからよ。」
「平然と仲間裏切るのかい!」
「え?何か変だった?」
「全部だ!」
そうこうしている内に、時間は削られてゆき、とうとう予定時間がやって来た。
「兎姫さん、兎姫さん!」
「うっせぇよ!何だ?」
海美は腕時計を見て、
「時間ですよ。ほら!」
二人は物陰から家の扉口を見た。そこには出かけてゆく直樹の母。時刻が8時になったのだ!
「本当に入るんだよなぁ?」
「もちろんですよ。ね?」
海美は笑顔で兎姫の肩に手を置いた。
「はい?」
「私は外で応援してるから、頑張ってよね。」
「お前!逃げんのかよ!」
海美は笑顔で頷く。
「けっ!分かったよ!行きゃあ良いんだろ!」
海美は近くの物陰に、兎姫は堂々と家の中へ。
兎姫は扉口を開けた。玄関が目の前に現れ、奥に廊下が続く。
「ちっ!無駄にご立派な家なんか建てやがって!気に食わねぇ!気に食わねぇ!」
兎姫は玄関の棚に立っていた花瓶を外に投げ割った!花瓶は綺麗に粉々になった。
「うん、これで良し。」
玄関で靴を脱がず、土足でそのまま階段を上がってゆく。
「チキン野郎、何を頼むかと思ったら、こんな馬鹿な事を…。」
依頼人、直樹が頼んだ事。それは両親を困らせる事。実は直樹の両親はモンスターペアレント。困り果て、自分の力ではどうにもできないと悟った直樹は、兎姫達に依頼したのだ。
「馬鹿じゃねぇか…けど、おもしれぇ!困らせれば良いんだろ!なら、俺に任せろ!全てぶっ壊してやるぜ!困り果てるのを通り越して絶望を見せてやらぁ!」
兎姫はオールを握り締め、2階の一室に来た。倉庫のようだ。中には高価そうな物、思い出の物などが収納されている。それを見て、邪悪な笑みを浮かべた。
「くくくく…あははは!良いもんあんじゃねぇか!」
兎姫は倉庫の奥の扉を開け、倉庫の物品を全て窓から投げ捨てた。外では海美が驚いている。
「兎姫さん!何してるんですか?!」
「ああ?!大事なもんをぶっ壊してんだよ!」
「何で?!」
「ほっとけよ!俺に任せろ!」
全ての物を地面に叩きつけた後、兎姫はトイレに入った。トイレは一つの洋式便座とトイレットペーパーが数本。そして、凄く綺麗だ。
「ここがトイレか…臭いと思って入るのに躊躇したが、案外綺麗じゃねぇか。匂いもあまりしねぇ。…無駄に綺麗な所がムカついてしょうがねぇ!天罰を下してやらぁ!」
兎姫は便座にラップを貼り付けた。
「ふっふっふっ…このまま用を足したら…ははははは!…どうなるか、楽しみだな。」
兎姫は不吉な笑みを浮かべ、トイレを出て行った。階段を下りていって、1階のリビングルームに来た。
「ここがリビングか。ほんっ…とうにっ!無駄に広い所がウザってぇ!俺なんかワンルームマンションだぞ!ガスも電気も水道も最近止められたんだよ!クソが!…テメェらのガスも電気も水道も、同じようにしてやる!」
兎姫は水道をオールでぶち壊し、蛍光灯を全て割り、ガスのパイプの奥に異物を詰め込みまくった。
「バーカ!これでお前らのガスと!電気と!水道も!全て使えねぇぞ!…まぁ、これで光熱費ゼロ円じゃん、良かったな!」
兎姫は水道から水が出っぱなしになっているのに気づき、兎姫は排水口に栓をはめた。
「ゴメンゴメン、水道代が無駄になっちまうな。だから、水は止めてやる。しかし、排水口の方をなぁ。」
次に、巨大なテレビに目が入った。薄型の巨大なテレビだ。兎姫は近寄ってしばらく眺めた。
「ほぉ~…でっけぇテレビだな。画面も綺麗だ。…こう言う綺麗なものとか、作りかけのものとかをぶち壊すのは最高におもしれぇんだよ!」
兎姫のオールがテレビの画面を貫いた!
「これで良い!…いや、もの足んねぇな。」
兎姫はテレビを担いで外に出ていった。
「兎姫さん!それはぁ!」
「こいつか?テレビだ。」
「じゃなくて!何でボロボロのテレビを担いで出てきたの?!」
「っせぇな、黙っとけ。こいつぁ、俺が粗大ゴミとして収集車に持ってってもらう。」
その時、ちょうど良く直樹の母が戻ってきた!
「あなた達!そこで何を…あぁ!そのテレビは!」
「ゲッ!マズい!もう戻ってきやがった!海美!逃げるぞ!」
「あっはい!」
兎姫はテレビを担いだまま、海美と逃げていった。母はしつこく追って来ている!
「兎姫さん!そのテレビは重いから捨てたほうが…。」
「…ああ、そうだな。」
兎姫は追ってきている母を睨みつけ、
「よぉ!モンスター…えっと何だっけ?」
「モンスターペアレントです。」
「そうそう、モンスターペアレント!テメェのテレビ、盗んで悪かったなぁ!今、返してやるからよぉ!」
兎姫は走ってくる母に向け、テレビを投げ捨てた!母はテレビに激突し、倒れ込んだ!
「兎姫さん!それはヤバイでしょ!」
「良いんだよ、これで。俺は人に向けたんじゃねぇ。怪物に向けて投げたんだ。逃っげろぉい!」
二人は全速力で逃げ帰った。母は再起不能。もう、追ってはこなかった。
「兎姫さん、顔を見られましたよね…。大丈夫なんですか…?」
兎姫は前を見つめながら言った。
「ああ、大丈夫だ。これは依頼されたんだしな。黒幕は直樹自身だ。」
「押し付けんの!」
「ああ、そうだけど。」
月曜日の放課後、いつもと同じで部室のソファーで兎姫が寝転がって漫画を読んでいると、部室の扉が思い切り開き、直樹が走ってきた。
「うっせぇぞ。もっとゆっくり入れ。」
「ちょっと!あんた、何してくれてんですか!もう、酷い事になった!倉庫の物品無いし、ガスも電気も水道も使えないし、テレビ無いし、壁がボロボロだし、父の尻が茶色になったし、リビング水浸しだったし!」
直樹は深刻な表情で叫んだ。
「んあ?オメェが頼んだんだろ?『両親を困らせて欲しい』とな。」
「限度ってもんがあるだろ!あれじゃあ、犯罪レベルだろうが!」
その時、直樹の顔面に兎姫の拳が激突した!
「兎姫さん!それは駄目だって!」
「黙れよ!ちゃんと困らせたんだろ?なら、何の文句がある?」
直樹は顔を押さえて立ち上がる。
「…そ、そうだけど…。」
「なら、良いだろ。お前からも報酬は貰ったことだしな。」
「は?まだ渡してねぇけど…。」
兎姫の表情が邪悪になる。
「ほらぁ、ここにあるだろ?」
兎姫はポケットから1万円の札を10枚持っていた。
「お前の両親の財布から、かっぱらった金だ。これでお前の依頼は終了だ。終わりよければ…何だっけな~。」
「全て良しです。兎姫さん。」
「そうそう、それだ。」
「どこがぁっ!…まぁ、俺の説明が足りなかったのも悪かったしな…。今回はこれで良いや…。」
直樹は諦め、部室を出ていった。
「あいつ、分かってんじゃん。」
その直後、また直樹がやって来た。
「どーした、まだ何かあんのか?」
直樹は不安気に言った。
「兎姫さん…その…あの、何と言うか―――」
兎姫のオールが直樹の顔面にぶつかった!
「はっきり言えよ!男だろ!」
直樹は顔を押さえた。
「いたたたっ…くっ…兎姫さん、俺をこの部活動に入れて欲しいんだ…。」
「良いよ。」
兎姫はソファーに寝転がってそう呟いた。
「え?!そんなあっさりで良いんですか、兎姫さん?!」
「だって、紙書くの、めんどくせぇし。どーせ、非公認の部活動だしな。」
こうして、この部活にもう一人、部員が増えた。これで3人目。
「てかさ、オメェ、案外、耐えれるんだな、俺の攻撃に。」
今回の話は直樹の悩みについて。
あの後、兎姫がやらかした事は全て、直樹のせいとなり、直樹は両親にこっ酷く叱られましたとさ。
それにしても、兎姫の便座にラップは…自分で書いたにしても、ちょっと酷いかと…。あの後、父親は尻を茶色に染めてしまい、母に「その年で、お漏らしなんて信じられないわ!」と言われ、その後、口喧嘩に発展。離婚の可能性もあったそうで。
海美は特に何もしてない。あいつ、存在価値あんのか?
兎姫「テメェ、殺すぞ!」
すみませんでしたぁ!
こんな感じで、第一話は終わらせて頂きます。
第二話では…もう疲れたから、書くの止めるわ。
兎姫「明日、第二話が投稿されてるか…楽しみだ(暗黒微笑)。」