好きな人⇔間宮くん
私、吉川 木花。
花の高校生。嘘です。高校生は合ってます。
実は、今日好きな人に告白しようと思います。
告白相手は同じクラスの間宮くん。
いつも寝ているけど、私がヤンキーに絡まれてしまったときに助けてくれました。
そのいつもとは違う彼の姿に心を奪われました。
「…OKしてくれると思いますか?」
「さあね。木花次第でしょ」
今まで恋愛経験がないから分りません!!
「どうやって、告白しましょうか」
「自分で考えなさい。そもそも間宮のどこがいいの?間宮って寝てる所しか見たことないけど」
ぐぬぬ…そう言われると難しいですね……
えっと…優しい所が好き?いや、それだけだったらどれだけの人を好きになるんですか!
「…木花?こーのーはーちゃーん」
「わ、何でしょうか紫乃ちゃん」
おおっと、自分の世界に入っていました。
紫乃ちゃん。私とは小学生以来の付き合いでクールビューティーな美少女。剣道部で女性によくおモテになります。
それにしても…間宮くんはまだ寝てます。
間宮くんの声は一度しか聞いた事ないけど、あの時の姿は忘れられない……
「ね、君。俺らと遊ぼうぜ?」
それは、あるあついあつい真夏の日。
紫乃ちゃんとプールに行く約束をしたので、電車に乗って待ち合わせの場所に行こうとしているとヤンキーに絡まれました。
凄く強い力で腕を引っ張られました。
「えっと…」」
紫乃パパに教えて頂いた少林寺拳法を使おうとしたその時。
「何してんの……」
「ま、間宮くん!!」
同じクラスの間宮くん。
いつも寝ているので覚えています。
「あー?お前には関係ないだろ?」
「面倒くさい…」
そう言いながら、彼は細い体で3人ものヤンキーを軽々倒していきました。
その姿は…まさにヒーロー。
いつもとは違う彼の姿に心を奪われました。
「これからは気を付けろよ…じゃあな、吉川」
「……今考えてる所わかった。阿呆」
「えっ、え!?」
毒舌です。ええ、毒舌。
「…そろそろ6時間目終わるよ」
「……はっ、プー先生!!」
そう、今は6時間目。古典の授業です。
古典の担当はプー先生。ぽっちゃりだからプー先生と生徒たちから親しみをもって呼ばれています。
「お前らな……俺の授業がそんなにつまらないか!ああ…そうだよな…俺よりもっとイケメンの方がいいよなぁ…」
「あ、チャイムなった」
「ほとんど話してましたね」
「…清掃はじめろ…」
ごめんなさいプー先生(´>ω∂`)
「おーい、間宮!!」
「起きろよ…あ、吉川。起こせよ~」
「ハヒッ、私ですか!??無理です」
こらそこ、笑うな。