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日常と異常

カタッ


ポストの中を調べると新聞やチラシ、封書が入っていた

家に入る前にそれを取り家に入るのが日課になっている


「あら、おかえり」


「あぁ・・・うん、はいこれ」


そう言いながら母親にそれを渡し2階の自分の部屋にそそくさと戻る

制服を脱ぎ着替えた後、お気に入りの定位置であるベッドに横たわる


「祐二~、あんたにお手紙来てるわよ~」


「後で取り行くからテーブル置いといて!」


勉強や部活にも真面目に取り組んではいたが結果が上手く伴わず

さらに来年の受験を控え言いようのない不安の毎日を送っていた


(また、今日も飯喰ってる時に親父の小言炸裂すんのかなぁ、うぜぇなぁ)



トントントン!


・・・・・・・・


「ご飯よ!早く降りてらっしゃい!」


「うぅっ・・・っはぁー」


(・・・寝たなぁ、もうそんな時間かよ)


下に降りるとすでに父親が食べ初めていた

とりあえず父親の顔を伺うが機嫌があまり良く無さそうだ

こういう時はさっさと食べてすぐ部屋に戻るに限る


「最近は勉強どうなんだ?」


「頑張ってはいるよ」


「覇気が無い返事だな、お前はいつも」


「・・・・・」


「うちの会社にもいたんだ、お前みたいにのらりくらりしたやつが

 何回注意してもスイマセン気をつけますって言って逃げてばっかりでな

 そんなんだからまた同じミスを繰り返してまた注意を受けるんだ!

 こっちが教えてやろう、よくしてやろうと思ってたのによく聞こうとしない

 まぁ、もう辞めてしまったがな。

 大体お前な・・・」


(やべぇ、まーた始まりだしたよ。逃げるしかない!)


「アレ?母さん、オレ宛ての手紙どこ?」


「食事の邪魔になるから電話の横の棚に置いたわよ」


「サンキュ」


「おい、どこへ行くんだ!話は終わってないぞ!」


「また、明日聞くからさー」


部屋に戻り定位置に転がり込む


(あーキツかった、そりゃ会社辞めるわあんな上司がいたら。かわいそうに)

 

(なんか今日はもう勉強する気しないな)


下から持ってきた手紙を手にとる

携帯の支払いの明細や、ダイレクトメール

そして1通の手紙が目に止まった


(なんだこの封筒、送り主の名前も住所も書いてないな)


この手の物はチラシが入っているパターンだと思ってはいたが

とりあえず開封してみることにした


日給1万以上!日払いで受け取り可!

簡単な軽作業で1日だけの仕事になります

働き次第で日当が上がる事も

履歴書不要、まずは下記連絡先へご連絡ください

<この広告をお持ちの方だけご応募になれますので広告を現地へお持ちください>


(日給高いな・・・バイトの募集かー、買いたいゲームあったんだよなー)


机の上にポンッとそのチラシを投げ仰向けで転がる


(今月の小遣い使い切っちゃたし冷やかしがてら行ってみようかな、それにSNSのネタになるかもしれない)


ボーッと天井を眺めながらあれこれ考える


(もし、面倒くさそうなら途中でバックレればいいし・・・)


あれやこれやと考えを巡らせていたその時外でカタッという物音がしたような気がした

少し気になったがまた隣の家の犬が暴れているんだろう

そのうちにだんだんと近づいてくる眠気には勝てずそのまま眠りにつくのであった




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