隔離病棟
--二日後。ヒオウ病院にある隔離病棟。
其処には、二人の人影があった。……そのうち片方は、メガーロである。
「須賀谷君の容体事態は安定しています。手術に関しても拒絶反応はなく、命に別状は無いようですよ」
メガーロはもう一人に向けて話しかける。
「……ご苦労、メガーロ。流石は須賀谷はデッド・ジンというだけはある。薬にもまけずにやってくれたな」
男の方は報告を受け、さも当然とばかりの口調で言い返した。
「ブラッド・タブレットの導入は成功といってもいい感じですね」
メガーロが資料をファイルから取り出し、男に見せる。
「あぁ、あれは我々にはただの毒だがデッド・ジンの能力を限定的に開放するもの……手術も含め、いずれ役に立つときが来よう。……マルクカからはなんと?」
「異存はない、だそうで。この度の手術の同意は取り付けました」
「……そうか」
「はい」
「新型の展開型デバイスを右腕に直に埋め込むという手術。彼の骨折の治療行為という名目とはいえ、喜ばれはしないだろうな」
「でしょうね」
メガーロは、男に同意した。
「そうかい。確かに、良心の呵責はある。とはいえ、異界からの侵略者に立ち向かうには、デッド・ジンの力は不可欠だ」
男は続ける。
「随分買い被るんですね? オルクス様」
メガーロは男に対し、おちょくってみせる。
「まぁな。俺は嘗て他のデッド・ジンを……見たことがあるからとも言えよう」
オルクスと呼ばれた男は鼻で笑ってみせると、書類をメガーロに返して出ていった。




