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全ての悔恨

「決着をつけ損ねた。ーークソッ!」

 

ーー戦いが終わって我に返ると不満感が、どっと沸いてくる。

 やるせない、こんな事で終わるだなんて。全く予想していない。

 自分ながら面倒だとは思う、だが、こんなクソみたいな逃げ切りなど、許す事などできない!

「クソ! ーークソッ、クソッ、クソッ!」


 須賀谷は、地面を思い切り殴る。

 俺はこんな思いをする為に生きていたのか。

 180ヶ月以上も居ても、人に裏切られる程度の信頼関係しか築いてこれなかったのか。

 俺の見る目がそれとも、無かったのか?

 なんなんだよ、マジでわからねぇ。

 ーー俺はそこまで、悪い罪を犯したとでも言うのか?

 俺は奴に何か望んだ覚えも無い。自分が遥か先、未来において寿命で死ぬ時に……イフットに居て欲しかったというだけなのに。あいつさえ居れば俺は、喩え人生が不幸でも構わなかった。

 騎士としてうだつがあがらなくてもよかった。それほどに考えていたというのに。ーーもちろん、いる限りは何処までも研鑽して魂を捧げようとは思っていたのだが。

 ……人の一生を屠っておいて、自覚無しに黒岩田もイフットも……こんな惨い事を。

 俺には、……この学校を出た後に、あいつと人生を賭けて積み上げていきたいこと事が、あったというのに。

 普通に俺が振られるだけなら、まだそれでも心の整理はついただろう。暫く掛かるだろうが。

ーーだが、あいつは浮気した上に二人まとめて吸収されたのだ。

ーーそれが、どうにもならないだけあって、腹立たしくてしょうがない。


 腐っていると、順が駆け寄ってくる。

「ーー落ち着け、あいつらがそういう奴だったという事だ」

 肩を押さえてくれるものの、感情の高ぶりは押さえきれない。何が情けは人のためならずだ、返ってくる物はこれか、これが現実なのか。私はそんなクズな人間の事を思っていたのか。

「ーー人の事をそう裏切る人間など、どの道碌な死に方はしない。そう自分を責めるな」

「ーーだが、それでも! ーーイフットがっ!」

 叫ぶと程なくして光と共にアーマーが解除され、薬の副作用が襲ってくる。

「うぁ!?」

 動悸が激しくなる。

「っぐうううぅぅぅぁぁぁぁぁぁ……うううううぁぁあ……」


 身体が痛い。節々が痛い。心も痛い。憎しみすら遂げられなかった魂が痛い。恥辱は免れたものの、こんなに全身が痛むだなんて。


 自発的な責任すら取らないあんな奴にいいようにされて、クソ。

 生きてさえいれば、あの黒岩田を地獄の底に突き落としてやれたというのに。

「士亜!」

 順がこちらに駆け寄ってくれる。しかし痛みは止まらない。喉が切れたのか、口の中から血が出てくる。

 こんな事で、死にたくは無い。死んでたまるか。まだ、俺はーー、まだ、俺はーー。イフット、奴におはようと言わねばならん。それに、奴を助け出さねばならん。フランベルグを倒さないと。それに、黒岩田を始末しないとけないんだ。はは、あれ、俺は何を言っているんだ。壊れたのか? いや、そんな事はない、俺は正常なはずだ。だって普通人が人を裏切るなんてないだろ? 常識的に。 あれ?何が正しいんだ? はは? はははは? 俺は何なんだ? 生きていて良かったのか? 姉さん。 ……あれ、姉さんって誰だ? それよりも、俺が助けたいのは誰だっけか。 えぇと、イフ……。



 ーー須賀谷の意識は、途切れた。

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