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異世界からの訪問者

「あーあー、一発で楽にしてあげようとしたのに! なんて面倒なんだよ!」

 魔法が飛んできた方向から、残念そうな感情を込めた声が聞こえた。

「ーー誰だ!」

 須賀谷は叫ぶ。

「ーーフランベルグ=イルアリティス。そう名乗らせてもらおうか」

 そこには、須賀谷達よりも3つ以上は若い、というか幼く見える長髪で青髪の少年が居た。

 その青は浅縹色に近く、それでいて何処か透き通って見える。

「悪いね、君。今回はちょっかいをだしてしまって」

 フランベルグと名乗った少年はそう言いながら須賀谷の方を指差す。

「何ーー」

「どういう事だ!? 貴様!」

 須賀谷が反応するより早く、順が戦闘態勢に入る。

「順、こいつを知っているのか!?」

 須賀谷が叫ぶと、順は魔力をチャージさせながら一歩前に出る。

「あぁ。忘れもしない。あいつは私をこの地獄に追い込んだ元凶ーークズだ!」



「おいおい、クズとは酷いじゃないか?」

 フランベルグは大げさに手振りをすると、冷静な目付きで見据えてくる。

「それだけじゃない。8・23事件ーーその、元凶だ。それに、私の友人やパートナーの命を奪った、外道だーー」

 順はそう威圧しながら、アーマーを展開する。

「今度は負けない! エクステンション!」


『fill up』

 デバイスの起動と同時に、再び順にアーマーが纏わり付く。


「へぇーー」

「順、冷静になるんだ!」

 須賀谷は言うが、順には言葉が届かない。

「うぉぁぁぁぁッ!」


 一発、フランベルグの顔面に順の拳が入る。


「ぎっ!」

 だが順の方が険しい顔をした。


「ーー分からないのかな。鎧を纏っても、喩え魔法使いでも。ーー君たち人間じゃ、僕の敵に成り得る事は無いんだ。それを知ってくれるかな?」


 フランベルグという少年は顔面に拳を受けても、微動だにしない。


それどころか、今の一撃によるダメージすら見えなかった。


「ちっ……パイル!」

 順は再び腕を引き絞ると、アーマーについているトンーパイルを展開する。

「でぇりゃぁ!」


 しかしフランベルグと呼ばれた少年は近距離から放たれた鉄杭を難なく回避した。

「遅いよ? アクションに隙が、ありすぎるんだ」

「この距離で避けるのか!?」

 順が驚きの声を上げる。

「ーーこの一撃を喰らうといいよ?」

 それどころか……あまつさえ順にカウンターの蹴りをかましてみせた。


「ぐぁぁぁあ!!」

 順は30mほど吹き飛び、アーマーを解除させる。


「ーー一撃で、そんな!?」

 須賀谷は驚きつつも順に駆け寄り、助け起こす。


「これが僕の力だよ。分かったかな?」


 フランベルグと呼ばれた少年は、そう子供に諭すかのような表情で宣言した。



「ーーすまん、士亜……熱くなり過ぎた。今の私にもう一度使うのは、辛い」

 順が再び、デバイスを託してくる。

 ーーしかし、勝てる気がしない。


「まだやる気かい? もっとも、僕の目的は他にあるんだけどね」


フランベルグは無視すると、 近くで意識を失っている黒岩田に向けて手から網のような物を放ち、絡めとる。

「っ!? 何をする気だ!」


 須賀谷は驚きながらも、デバイスを構える。だが。


「ーー僕のやることは、こうして大会で出来上がった魔法使いを、食うことさ。ーーこんなふうにね!」


 瞬間網が巻き取られ、黒岩田の巨体がフランベルグの手首にずりずりと吸い込まれていく。

 果実を潰すとか、そういった事ではない。身体自体が、吸い込まれているのだ。

「フフフフフ! ハハハハハハハ!」

 ーーどんな原理なのかは分からないが、黒岩田の体は血さえも遺さずに質量を変化させず、ガントレットごと吸収されてしまった。


「ーーっ!?」

 須賀谷はぞわっとした恐怖感を得た。何なんだ、こいつ。まともな神経をしているのか!?

 眼に見えるものは、まさに狂気だった。

「ーーあぁ、まずいし油っぽい」

 フランベルグは不快そうに言いながら、さらにこちらを向いてくる。


「僕はね、この世界を開発しようとしてるんだ。その為には、君たち騎士や魔法使いが邪魔で仕方が無い。ーーだから、君たち適当に育たせたら処分するつもりだったんだ」


「ーーっ!」

 順も、言葉を失っている。


 さらに、やっと起き上がったばかりのイフットに向けて、フランベルグは向き直る。


「ーーまさか」

 脳裏に、不安が過ぎる。

「ふふ、それじゃ。君たちには、恐怖という感情を教えてあげようか!」

 フランベルグは下衆な顔をしながら、右手を突き出してきたーー。

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