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医務室

 須賀谷と順は医務室へと急ぎ、程なくして着いた。ベッドで寝ているニリーツは外傷が激しく、点滴を受けている様子が見える。

「ニリーツ、大丈夫か?」

「う……う……」

 須賀谷達が話し掛けた時には、既にニリーツの意識は戻っていた。

「あだだだ……アルヴァレッタは……?」

 ニリーツが細い声で、力なく呟く。

「無事だ、少なくともお前よりは酷くは無いとは思えるぞ」

 順がまだ起き上がることが出来ないニリーツに言葉を、返してやる。

 アルヴァレッタは失神をしてベッドに寝ているが呼吸も心拍も異常がなく、単に衝撃を受けただけで緊急検査の様子では脳にもダメージは無いようだった。

「そうか……良かった……」

 ニリーツが弱弱しげに、言葉を吐いた。

「――喋るんじゃない、傷に触るぞ」

 順が目を細めて、そう心配をする。

「優しいじゃないか、……いかつそうに見えていいところがあるな、順」

 それに対し、ニリーツが順の方を見た。

「人を何だと思っているんだ。私はそこまで酷い事はしないぞ」

 すると順は機嫌を悪くしたかのように、横を向いてしまう。

 しかしニリーツは、そうした順の姿を見て笑った後に今度は須賀谷の方に向き直った。

「士亜。……炎に気を付けろ……炎になぁ。アイツらマジで、洒落にならんわ」

 そして、真面目な顔に戻りそうとだけ告げてくる。

「あぁ」

 分かってると、頷く。

「お前達が勝つのを祈っているぞ、士亜、順……」

 それからニリーツは片腕の親指をぎっと立てると、静かに疲れたかのように目を閉じた。


「ニリーツ!」

 須賀谷達は、ニリーツに押しかけようとした。

「大丈夫だよ……いってこいや」

 だがそこで目を瞑ったままニリーツが呟く。

「……え」

「大丈夫だって言ってるだろ。目を閉じただけだ。大事なのはお前らが勝ちにいく事なんだよ、ばかちんが」

 ニリーツは人の悪いような表情をして平然と答える。

「この位の怪我は慣れている。どうこう言う間があったら優勝トロフィーの一つでも見せてみろよ……頼むぜ?」

 そのまま軽く、促される。邪魔だと言うのではなく俺を忘れてしっかり戦って来いと言っているかのようだ。

「医務教員の先生……二リーツを頼みますよ。出来ることならこいつが早く治るように、たっぷりと傷口に消毒薬でも塗っておいてください。――士亜、いくぞ」

 順はそこでニリーツの意志を汲みとったのか、部屋の隅に居た医務教員に一礼をするとそう口を開く。

「あぁ」

 俺も頷くと、順に続き部屋を出た。

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