王様に謁見したら、王様の〇〇になりました。(6)
「なあ、リュリア。お前、俺の〇〇にならないか?」
「ん?今、なんて言いました?」
「だから、俺の側近にならないか?」
ソッキン、そっきん、側近・・・側近!?
はあぁ!?
なぜにいきなり側近なんてことになった!
陛下の頭ん中で、何があったんだ!
光栄なことだけれども!やりがいのあるしごとだけれども!?
な・ぜ・い・き・な・り!?
しかもこの人、口調変わってないか!?
今まで相手のこと、「そなた」っていってたよな?
でも今、「お前」って言ったぞ。
それに、あんなにひしひし感じていた魔王オーラが消えた!
第一人称が、「私」から「俺」になった!
これが素か!?そうなのか!?いや、以前よりも親しみやすいけれども!
今までのか演技なら、この人の猫かぶりスキルまじパネエ。
「えっと、陛下?何をお考えで?」
「いや、俺は、身分や立場を関係なく俺を頼ってくれて、俺も頼ることができる、そんな、対等な関係を築ける人を、探してたんだ。
いつかそんな人が現れたら、その人を、側近にしようと思ってたんだ。だから俺に今、側近はいない。でも、お前となら、そんな関係を築けるかも知れないと思った。
お前の言葉で言うと、俺は、お前が、俺と対等な人間になりうる可能性を、信じているんだ。」
・・・・・・・私は、この人のことほ信じている。それは間違いない。
この人が私の大切な人になるかもしれない。それも信じてる。
陛下は、私と対等な関係になれることを信じてる。
つまり、私たちは互を、必要とし合っている。
・・なら、この話も、そう悪いものじゃないんじゃないか?
何より私はこの人に、私の大切な人になってもらいたい。
ならば。
「いいですよ。私、あなたの側近になります。」
「そうか。よかった。これからよろしく頼む。リュリア。」
「はい!」
陛下は頬をほころばせて笑っている。
・・・・えー、わたくし、リュリア18歳、王様に謁見したら、王様の側近になりました。