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2つ目の世界へ

初めて小説をかきます。間違いなどありましたら、報告をお願いします。また、あまり頻繁に投稿するのは難しいかと思いますが、よろしくお願いします。

 

「・・・あー、え?・・・ん・・?」


正直に言おう。私は今、混乱している。それはもう、混乱している。

あー、・・・・・。とりあえず、落ち着け、私。状況確認と行こうじゃないか。


Q1.ここはどこ?

A.ただただ白い空間


Q2.私はだれ?

A.白鳥千笑しらとり ちえみ 18歳の社会人


Q3.私はなぜここにいる?

A.・・・。分からん。記憶をさぐってみよう。



   *   *   *



「それじゃぁ、また明日ね、千笑!」

「うん。また。」

 

仕事を終え、同僚とあいさつをして家路につく。私の日常だ。

さて、仕事もおわった。サッサと家に帰ろう。

私はさっさと歩きだすが、帰路の途中、ふと気づく。 


「夕飯の材料、ないかも。」


私は別に、夕飯など抜いてしまっても構わないのだが、せめて弟の夕食は作らねば。

だからといって、作るのも面倒くさいし。コンビニでなんか買おう。

私は、細く、人気のない裏道を歩く。この道を通ると、コンビニまですぐだ。暗いが、まあ、大丈夫だろう。

何度か通ったことのある裏道の中ごろに差しかかったとき、ふと、異変を感じた。


「なんか、ここだけ空気がちがう?・・・・・っっっ!!!」


わずかな違和感に首をかしげていると、突然、胸が締め付けられる。

この痛みには覚えがある。幼いころから、何度も繰り返した痛み。

ああ、まずい。最近は全然なかったのに。よりによって、こんな人気のない場所で。この痛みを感じたとき、私は意識を保てたためしがない。

視界がゆがみだす。

だれか、見つけてくれるかなぁ・・。


「っっ!・・っはぁ、・・・ぅぅ、っはぁ・・・っ」


痛みが、苦しみが激しくなる。

なんだろう。幼いころと比べると、苦しみが増している気がする。

私の意識は、そこで途切れた。



   *   *   *



私は過去の記憶へ向いていた意識を、今に戻す。

うん。思い出した。私は、人があまり通らないところで倒れた。幼いころからの病気の発作を起こして。・・・なら、ここは夢の中とかだろうか?

考えても、答えはでそうになかった。

まあ、分からない事をだらだら考えても仕方ない。分からないことは、知っている人に聞けばいい。


Q4.君は誰?

A.「え?僕?僕はリーレン。」


目の前を漂う少年に、私は尋ねる。

「じゃあリーレン、君は何?」

少年は、笑顔のまま、私の質問に答える。

「君たちが言うところの神様さ。」

・・・何か突拍子もないことを言われているような。私の知っている神は、こんなにかわいらしくはない。が、今の私は、少年の言葉を否定できるだけの根拠を持ってはいない。・・・まあ、する気もないが。

「神様?じゃあ、なんでもしっているよね。私の質問にすべて答えてくれる?順を追って説明して。」

私の傲慢な態度に、少年は笑顔を深めた。

「ははっ千笑は変わらないね。僕、神様だって言ったのに。ため口に命令口調!」


やっぱり?今こいつ、やっぱりって言ったか?・・・やっぱりってなんだよ。初対面じゃないの?


「ああ、それについてはあとで説明するよ。うんと、千笑が倒れた後から説明しようか。千笑は倒れた後、通りかかった人に見つけられて、病院に運ばれたよ。」


どうやら私は、人に見つけてもらうことが出来たらしい。そこは安心だが・・・

・・・死んでないよな・・・?


「安心して。僕が君を簡単に死なせるわけないじゃない。」


少年は胸を張り、鼻息荒くうでを組む。なんというか、案外かわいい。

って、ちょっと待て。こいつ、私の心読んでないか?まあ、いいが、流石に神だな。

少年は、説明をつづける。


「君がこの世界から出ていけば、目が覚めるよ。でも、君の病気はこれかからどんどん悪化していく。それに、千笑は、あまり長生きできない。」

まあ、昔から医者に言われ続けていたことだ。別段、驚きもしない。

「それは、リーレンにもどうにもできないの?」

少年は目を伏せ、長いまつげを震わす。

「・・・うん。やろうと思えば、できなくもない。でも、人の世界に僕みたいな大きな力を持った存在が深く干渉すると、世界が壊れちゃうんだ。だから、できない。」

つまり、神という存在は、世界に深く干渉できないってことだろうか。

「・・驚かないね。」

「だって、わかっていたもの。早死にしそうだな~って。最近は発作なかったけど、小さいころから比べれば発作の回数ふえたし。・・・それで?」

ぱっと上がった少年の瞳からは、悲しみが見て取れる。

「僕は、千笑が大切なんだ。千笑、今生ききてて、・・その、楽しいことないでしょ?」

なぜこの少年は、ここまで私のために心を動かせるのだろう?

私には到底理解できない。

「そうね。ぶっちゃけ、生きている意味ないわ。」

「そう、だよね。だから、僕は千笑に幸せになってほしいんだ。ねえ、千笑。転生、してみない?僕は、君が辛そうに生きているのを見るのがつらい。違う世界で、違う見た目、違う環境で生きてみない?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そうするわ。」

少年の言葉は、意外なものだった。驚きで目を見張るなど、いつ以来だっただろうか。

私は乱れた思考を整理し、いつもよりも長い時間考え、決めた。

今度驚くのは、少年のほうだ。

「いいの?そんなに簡単に決めて。」

私は深く、うなずく。

「いい。千笑としての人生に、未練ないしね。ああ、でも、弟は心配だなぁ。あの子まだ子供だし。私以外家族いないし。でも、最近はしっかりしてきたし、大丈夫・・だと願う。」

少し、語尾が濁ってしまったのは、許してほしい。

心配なのだ。弟が。

「・・・どうする?」

「転生は、する。」

「わかった。じゃあ、早速準備を始めようか。」

「その前に、私の質問に答えて。私とリーレンって、前にもあってるの?」

「うん。会ってるよ。5年前、君が13歳の時。」

「!それって・・・」

「そう。君の家族が、君と弟君以外の家族が、皆殺しにされた日さ。」

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