第三話:高鳴る鼓動、開くドア。
「失礼します。」
そう一言つげて清春は職員室のドアを開けて中に入った。春休みに1度説明を受けに学校に来た時に、始業式の日はまず職員室に来るよう言われていたからである。中に入ると、清春は職員室の中をざっと見回し、この前紹介された岩下という教頭を探した。
職員室には大きな机が三脚置いてあり、それぞれに数人の教師のスペースがある。また、それとは別に長細い机が一脚置いてあり、そこが、岩下の机だった。
清春は岩下を見つけると近くに行き、
「あの、転校してきた柴田ですけど。」
と、書類に目を通している岩下に声を掛けた。
岩下は顔を上げ、ずれた眼鏡を直す仕草をすると、清春を一瞥してから、やっと何かに気付いたように話し始めた。
「ああ、柴田君か。ちょっと待ってね。ええと、おーい、金村先生。」
岩下は立上がり、机かに手をつき、入口に一番近い大きな机に向かってそう言った。
すると、岩下の机から一番遠い所に座っていたTシャツにジャージ姿の男が返事をし、二人の方へやってきた。
「柴田君、彼が君の担任の先生になる金村先生だ。今日のことは彼から聞きなさい。私は忙しいので彼に任せるけど、新しい学校生活頑張るんだよ。」
岩下はそう言うと再び椅子に座り、書類に目を戻した。
清春は岩下に礼をした後、金村の方に体を向け、
「柴田です。よろしくお願いします。」と挨拶をした。
「うん。よろしく。それじゃあ早速だけどクラスに行こうか。」
清春は
「はい」
と返事をし、職員を出てく金村についていった。
金村は廊下を歩きながら、清春が何処から来たのか、教室に着いたら自己紹介をしてもらう等のことを清春に言った。
清春は何処から来たのかくらい、担任になるなら知っておけよと思ったりしたが口には出さなかった。金村はあまり生徒に関心を持っていないのかもしれない。まあ、それはそれで楽だな。清春はそんなことを思いながら歩いていた。
教室は四階にあった。ちなみに職員室は二階である。階段を上り、金村が、うちは二年三組だからと言い、一組を通り過ぎ、教室が近くなってくると、清春は段々と心臓の鼓動が早くなり、血の流れを強く感じるようになってきた。いよいよか、そう心の中で言い、清春は唾を飲み込んだ。
そして、金村が戸に手を掛け、横に引くと、ガラガラと音を立てて戸が開いた。
もうちょっと描写が上手く書けるよう頑張ります(^_^;)
読んでくれてる方ありがとうございます。