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01 プロローグ

人身売買がありますが、架空の話です。


娼館


多くの男たちが訪れる場所、繁華街の中心的存在、それが娼館。

これは白国の繁華街で特ににぎわった娼館、雅楼に働く薫という娘と恋人の勝男の

出世物語です。





娼館の女の子の大半いやほとんどといっても良い娘は子供の頃、親が娘を育てら

れなくなり、娼館に身売りされたものだ。


娘を身売りしてお金を稼ぐ親。


売る物が無いからだ。


だから、娘を売った親は例外なく身の破滅になることが多い。


たとえそれが病気・災害などによる真面目なものでも例外はない。


いや、逆にまじめな親ほど悲惨な最期だった。


娘を買う方も相手の足元を見る。


余裕のあるときに娘を売った親は食い扶持が減った上に高額の取引だ。


真面目な親は娘をぎりぎりまで手もとに置く。


そして、最後に娘を売るから買い叩かれる。


待ているのは悲劇が多かった。




薫が娼館に売られたのは11歳のときだ。


飢饉で食べるものもなく、口減らしのためだった。


その後、豊作になっても買い戻す余裕はないのが普通だ。


結局、薫は家族に見捨てられる形となる。


でも薫は家族を恨むこともなかった。


売らなければ家族はひもじい思いをして、共倒れになるしか無かったからだ。


少なくとも娼館に売られれば、薫だけでも生き残れると売られた時は真剣に思った。


現実に送り出す親達は薫の幸せだけを願っていた。


一時的に凌いでもその先冬を越すだけの蓄えも食糧も底をついているのが判るからだ。




結果的に一家は生き延びた。


しかし、家族は薫に感謝はするが助ける余裕はない。


娼館に売られた娘は自力で這い上がらなければならないのだ。


それが、売られた娘の宿命だった。




薫も売られた当初は家族から離れ悲しかった。


自分の運命に涙した。


娼館に売られた娘の行く末は悲惨なものだ。


聞いていた話では、男の相手をする。


ひどいときには一晩に3人を相手にしなければならないとか。


それを続けていくうちに感覚がまひしてしまう。


男がなければ生きていけないほどの色狂いになるといわれていた。


やがて、地方の娼館に売られて最後はみじめに野垂れ死。


そう聞かされていた。


運がよければ金持ちの妾になれるぐらいである。


現実に村から売られた娘で帰ってきたものは一人も居ない。


売られた娘は、みんな行方不明であった。


薫の友人も数人がその仲間になっていた。




薫には幼馴染の男の子がいた。


勝男といい早瀬家の三男である。


早瀬家は武門の家で多くの仕官を出して名は売れていた。


仕官といっても最高位で五十人長なので知れていた。


しかし、地方というハンデを考えれば立派なものだ。


勝男とは小さい頃から遊び、ままごとのレベルで婚約までしていた。


現実には勝男の家と薫の家では、格が違う。


だから、結婚は不可能だ。


しかし、本人が強く望めば出来るぎりぎりの所でもあった。




けれども、薫が娼館に売られていくことになった。


そのため、結婚は不可能になったのだ。


それは二重の意味で不可能になったのだ。


名門早瀬家に娼婦の嫁は入れない。


そして、薫自身娼婦から這い出るのが不可能ということだ。


薫の悲しみはそこのところでもあった。


幼馴染の勝男と事実上永遠に添い遂げられなくなること。


それが、家族との別れより悲しかった。


未練を断ち切るため、勝男との別れもせずに旅立った。





補足


この話は『雅雄記』の外伝です。

本編だけでも楽しめるように書きますので雅雄記を知らなくても構いません。

一応雅雄の略歴だけ説明します。

遙か未来に作られた人造生体コンピューターが雅雄です。

しかし、事情があって未来には帰れなくなりました。

武術の達人で気の使い手。

そして、他人の気を操って幻覚を見せられます。

コンピューターなので物事を効率優先で動かす性質があります。

それを直すため感情の勉強中ともいえます。

作る道具の中にはナノマシンを搭載してとんでもないものを作ることが出来ます。

事実上、一人で世界統一を出来る化け物です。

しかし、欲という感情が欠如しているので歴史にそって動こうという意志が強い。

歴史を変えすぎると、自分の存在が危ないという理論からです。

そのため、助けられる人でも必要が無ければ見殺しにします。

それどころか、邪魔者なら躊躇無く排除します。

正義・悪という概念も可哀相という同情の概念もありません。

ただ、知識で該当ケースがどういうものか判断していきます。

それが雅雄です。

場合によっては人間以上に人間でむちゃくちゃなことをするときもあります。

詳しくは本編を読んでいただければ判ります。

http://ncode.syosetu.com/n2888j/

これからも応援をよろしくお願いします。


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