再会
昔々、ある所に魔女がいたという。悪い魔女、ではなかった…はず。その魔女は一千年を股にかけるほどに長生きだったが彼女の余命はおよそ3年だった。
ここは森のなか、奥深く。誰もいない、誰もいないはずだった。
「ふわあ〜ぁ」
欠伸をしながら、だらしなく歩く彼女の姿からは覇気など感じぬが彼女は多くの修羅場を経験した猛者である。
ガサガサッ
茂みの方から音がした。彼女が一瞥する。すると青年というにはまだ幼い男の子が飛び出した。
「ねえ!、ここを通りたい?通りたいなら食べ物を置いてって、とびきり美味しいヤツを!」
ガリガリに痩せ細った、土とほんのり血の匂いのする汚くボロい服を着た、ザンバラに伸ばされた髪の少年。魔女はその少年を知っていた。
「その傷っな、なんで?、、、嗚呼そうかお前、、、いや、どうしてお前が?」
彼女は困惑し狼狽していた。それだけ少年は彼女にとって想定外の客人だった。
「、、、くれないの?」
少年は不思議そうに首を傾げる。齢10にも満たないような少年にとってもまた、想定外だった。
少年の経験では大人はみんな可哀想なものを見るような、汚いものを見る目をしていた。魔女の示したような反応は初めてだった。
魔女は少しの逡巡の後、覚悟を決めたような諦めたような顔をしてから少年と目を合わした。懐かしい思い出を見つけたような顔をしていた。




