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日常
「仕事ねぇな……」
「仕方ないですよ。悪さする祝福者なんて、そうそう居ませんし」
「最近は強い祟り神ばっかり殺してるからな」
「まぁ、ただでさえ仕事が少ないのに、ここに回ってくる前に他の警官さんが何とかしちゃいますし」
………。同時刻。
「なんだ、こいつ?」
「リアは何もしなくていい。下がってろ」
「覚醒者ですか、ショウさん?」
「いや……感覚としては、アリサの能力に近い」
祟り神は、目の前の人間を捻り潰す――そんな意思だけを宿した視線を向ける。
リアへと伸びた腕を、顕現したナイフで切り落とす。
断面から黒い血が噴き出し、止まる気配はない。
よろめいた隙に距離を詰め、心臓を貫く。
急所への一撃と出血に耐えきれず、祟り神はチリとなって消えた。
「……なんだったんだ?」
「幽霊、とか?」
「幽霊なら、触れないだろ」




