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帰宅
「あーあー、逃げるしか無かった。非番だし、アレ持ってなかったんよなぁ」
「アレって、何ですか?」
「ほい」
渡されたのは錆びたナイフ。
一見すると切れ味は失われている。ただ……何か禍々しい。
「数百年前のナイフだ。付喪神が付いてる」
「いや、付喪神って、そんな強くないですよ?」
「お前が言うな」
「……あ、はい」
「けど……やっぱ禍々しいですね」
「神に力を与えられた人間、祟り神……色々斬ってきたからな。結果、妖刀っぽくなった」
「付喪神に何してるんですか……」
「仕事だし、仕方ねぇだろ。さっきの奴も、これがあれば勝てたんだがな」
「……勝てますか?」
「あぁー、しつこいなぁ」
「すみません、すみません」
「そっちじゃない。さっきの祟り神が追って来やがった。流石に迎え討つわ。今回も力を貸せ」
「またですか!? いやだぁー!」
「文句言う割に、離れねぇのな」
「離れたら死ぬじゃないですか」
「正解」




