トレーニング
「ハァ……ハァ……ゲホッ……」
ユウは血反吐を吐いた。
「無茶しないでくださいよ……」
ナツは、はっきりと心配そうな顔をしている。
「……何秒だった?」
「四十三秒です」
「最大チャージから、十三秒耐えられたのか」
嬉しい誤算が一つ、判明した。
心臓に“台風”を作ると、加速した血流がその維持を手助けし、力が飛散しにくくなる。
任務の途中、ナツがテンパって心臓の台風の維持を放置した結果、偶然わかったことだった。
「……もっと耐えられる身体にしないとな」
「神様を殺す前に、死んじゃいますよ」
「いや……最初と比べると、負荷には慣れてきた。
それに、これを使わずに神は殺せない」
ユウは、息を整えながら続ける。
「これに台風の力を乗せた攻撃を上乗せすれば、
かなりの火力になるはずだ」
「……復讐。
続けたいんですか? やっぱり」
「あぁ……」
「……忘れる、とか」
「出来るかよ」
ユウは吐き捨てるように言った。
「確かに、毒親だった。
でも、イザナミノミコトの宗教がなければ、
もっとマシだったし……母さんは、死ななかった」
「本当に……
神だけが悪いと思います?」
「…………」
沈黙のあと、ユウは低く答える。
「言いたいことは分かる。
神がいなくても、母さんは狂ってた……多分な」
「父さんが生き返るかもしれない、なんて無理な願いで、
イザナミノミコトの宗教に入るくらいだ」
「……死んじゃいますよ。
ユウさんまで……」
「もう戻れないんだよ」
少し間を置いて、ユウは言った。
「……ここまで来たら」




