結界
【訓練後】
「やぁっと、上手くいった……」
「何なんですか、アレ?
空中で壁キックしてましたけど?」
ナツは、ユウが自分に隠れてコソ練していたことを知らず、明らかに動揺している。
「結界でしょ?
本当に君は面白いことしかしないよね」
「……シンさん」
「ナツ、説明するとな。
この前、覚醒者の話をしただろう?
俺たち人間は、誰しもその“才能”を持ってるんだよ。
神の力を扱うと、その応用として結界を生み出すことができる」
「やる人、見たことないですけど?」
「結界はセンスが必要だからねぇ。
上手い人は、結界の中で自分にだけバフをかけたり、
相手にデバフを押し付けたりもできる。
あとは封印とか?
使えると便利だよ。
結界“だけ”を扱うのが上手い人もいるし」
シンは、楽しそうに続ける。
「ユウ君の結界はね。
本来なら出来損ない程度なんだけど――
範囲と時間、作れる場所を足元のみに制限して、
空中での壁キック用に使ってるんだ」
「スピードを活かしてる、ってことですか?」
「そうそう。
攻撃の軌道を途中でずらせたりもするから、
相手からすると、かなり厄介だよねぇ」
「……あぁ。
使ってみたが、確かに便利だな」
「結界をこんな使い方する人、居ないよ。
本当に面白いね」
「ユウさんって、戦闘センスだけはありますよね。
他は駄目駄目なのに」
「……しばくぞ」




