ナンバー2
今回の訓練相手は天照大御神の祝福者か……例外を除けば、事実上最強の相手だ。
「今回はやる気がありますね」
「なんやかんやで、ここまで登り詰めたからな」
訓練開始。
全く、いつもながら観客が多い。
「ナツ、最初から“あれ”で行くぞ」
「えー……使わなくても」
「太陽が昇るほど力が増す祝福だ。誓約が力を増大させるのは、俺たちが一番よく分かってるはずだろ」
「貴方ですか? 信仰心の欠片も無いまま、ここまで強くなったと噂の新人は」
女性が声を掛けてくる。
普段は巫女らしい。名前は確か――アマネ。
「生憎、信仰できるような神に出会ったことが無いものでな」
試合開始。
合図と同時に、心臓に台風が形成される。
心拍数が跳ね上がり、身体に力がみなぎる。
だが三十五秒。
耐えられるかどうか、まさに限界の負荷だ。
距離を詰めるため地面を蹴る。
想像以上のスピードに一瞬驚きつつも、そのまま近接戦を仕掛ける。
「あらあら……無理をしていませんか?」
アマネは身をかわしながら掌底を繰り出す。
速い。最初から使っていなければ、ここで終わっていた。
互いにスピードと力のバフが極端に高い。
気づけば十秒経過。
そこらの相手なら瞬殺できる力のはずだ。
だが時間経過と共に、自分の力がさらに漲っていく。
――まだ最大チャージではない。
その影響で、互角だったはずの戦いは、いつしかこちらが押し始めていた。
アマネの表情にも緊張が走り、顔が強張る。
来た。三十秒経過。
無理やり隙を作り、腹を殴――
意識が遠のく。
攻撃された?
違う……負荷に、耐えられなかった。
「ユウさん!!」
一体化が解けたナツが叫んでいる。
だが、何を言っているのか聞こえない。
俺はそのまま、意識を失った。
……………………。




