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奥の手
「え、無理ですって」
「出来なくはないだろ?」
「出来るかどうかの話じゃないですよ。死にますよ?」
「そのくらい無茶しないと、神殺しなんて夢のまた夢だろ」
「……だからって、心臓に局所的に台風なんて作ったら、身体が保ちませんよ」
「流石に奥の手ではあるがな」
「なんで、そこまでイザナミノミコトに執着するんですか?
今でも十分強いですし、生活だって悪くないじゃないですか」
「……母親が殺されたんだよ」
「父親が死んでから変わって、毒親になったがな。
ただ、宗教なんかに嵌まらなかったら……今とは違ったはずなんだ」
「…………」
「手を、貸してくれないか」
「……ほんとに、奥の手ですからね」




