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逃走
体が風のように軽い。この恩恵はありがたい。
走って逃げることもできるが、応戦してみる。
今日は休みだから、アレを家に置きっぱなしなのが辛い。
祟り神の攻撃を避け、カウンターに蹴りを入れる。
……なかなかいい。
今度は、傷の修復ができない。
そよ風の神とはいえ、一応は神だ。人間とは違い、ダメージが通る。
だが――祟り神は立ち上がる。
無いよりマシ、程度の火力か。
この辺は最初から期待していない。別にいい。
「アァァアア!」
耳障りな叫びを上げる。
…………
逃げるか。
アレを持っていれば勝てたが、仕方ない。
五メートルほど跳躍し、屋根から屋根へと飛び移りながら逃走する。
弱すぎ……やっぱり勝てねぇわ。
「んーーっ!!」
…………
「……助けて下さり、ありがとうございます」
渋々、お礼を言われた。




