格上
………。
「なんか暗いですね、ユウさん」
「この前の訓練で実力を見せつけた。
だから要望通り、今回の相手はイザナミノミコトの祝福者だ。」
「強いですよね……」
資料は見た。相手は殺人鬼。
ゾワッとする。
――こいつか。
顔は見えない。それでも分かる。今までの奴らとは格が違う。
「んー……君が相手ね」
こいつを殺せなければ、本命の神を殺すなんて夢のまた夢だ。
距離が一気に詰まる。速い。
噂通りだ。殺せば殺すほど、身体能力が格段に上がる祝福。
台風の力を乗せ、ナイフを振るう。
――避けられた。
もう一つのバフ。
死の気配を感じ取る能力、その影響か。
次のチャージまで、あと30秒……。
正直、キツい。
――勝てるか?
「助けに来たよー。今回は無理でしょ」
「シンさん……」
「まぁ、今回は勝てないよ。流石にね。後は任せて」
殺人鬼が、逃げようとする。
――は?
倒れた。
急に。理由もなく。
これが、現人神の力。
「上も酷いよねー。本来なら複数人相手で、やっと勝てるかどうかの相手なのにさ。
でも今回の件で評価は下がらないから、安心してね」
「なんで助けた? その話だと無断で来たんだろ」
「君には働いてもらわないとだからねぇ。何かの間違いで死んでもらったら困る」
「……そうか」
格上の力を、思い知った。




