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そよ風の神  作者: ルイ
18/32

格上

………。

「なんか暗いですね、ユウさん」

「この前の訓練で実力を見せつけた。

だから要望通り、今回の相手はイザナミノミコトの祝福者だ。」

「強いですよね……」

資料は見た。相手は殺人鬼。

ゾワッとする。

――こいつか。

顔は見えない。それでも分かる。今までの奴らとは格が違う。

「んー……君が相手ね」

こいつを殺せなければ、本命の神を殺すなんて夢のまた夢だ。

距離が一気に詰まる。速い。

噂通りだ。殺せば殺すほど、身体能力が格段に上がる祝福。

台風の力を乗せ、ナイフを振るう。

――避けられた。

もう一つのバフ。

死の気配を感じ取る能力、その影響か。

次のチャージまで、あと30秒……。

正直、キツい。

――勝てるか?

「助けに来たよー。今回は無理でしょ」

「シンさん……」

「まぁ、今回は勝てないよ。流石にね。後は任せて」

殺人鬼が、逃げようとする。

――は?

倒れた。

急に。理由もなく。

これが、現人神の力。

「上も酷いよねー。本来なら複数人相手で、やっと勝てるかどうかの相手なのにさ。

でも今回の件で評価は下がらないから、安心してね」

「なんで助けた? その話だと無断で来たんだろ」

「君には働いてもらわないとだからねぇ。何かの間違いで死んでもらったら困る」

「……そうか」

格上の力を、思い知った。

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