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噂
「……噂になってんなぁ」
視線を向ける先で、ひそひそと声が交わされている。
聞こえないふりをしても、話題が自分たちなのは分かる。
「私たち、何番目くらいに強いんですかね?」
「どうだろ。分からん」
即答だった。
「トップ10入りはしてるよ」
背後から、軽い声。
「……あぁ。あんたか」
振り返る。
この前の優男だ。
「この前の彼、10番目に強かったんだよ。しかも圧勝だったらしいね」 「なら、君たちはもっと上だね」
「……あんたは何番目なんだ?」
一瞬の間。
空気が、わずかに張り詰める。
「一番だよ?」
冗談みたいな口調。
だが、周囲が静まり返った。
「……ここで一番、か」
視線を向けた先。
ただ立っているだけなのに、場の重心がそこにある。
「あんたが……例の現人神か?」
「そうだよー」
軽い。
軽すぎる。
「……驚いたな。」
「有名人だよ、君」 「そよ風の神と契約してるのに、ネームドの祝福者を倒してるんだもん」
「……あんたが言うな」
「アハハ、確かに」
肩をすくめて笑う。
「僕はシン。よろしくね」
「あぁ……よろしく」




