1/32
そよ風
やばいやばい……祟り神に見つかった。殺される!
「あぅ……」
足がもつれて、私は転んだ。
もういいや。
私が死んだって、別の私が生まれるだけだ。
――ドサッ。
……あれ?
祟り神が倒れ込んでいる。
後ろの男性のおかげ、かな?
「ありがとうございます」
「お礼を言うのは、まだ早いな」
その言葉通り、祟り神は傷を修復し、ゆっくりと立ち上がった。
「お前、なんの神だ?」
「そよ風、です……」
「弱ぁ……」
「言わないで下さい」
「まぁ……いい。力を貸せ。じゃないと倒せない」
「分かりました」
私は男性の手を握り、一体化する。
「よし……これで力を使えるようになったな」
「勝てるのかな……そよ風なんですけど」
「なんとかなる」




