96話:真実
「あ……かねさん……」
「まあ、そこに座れ」
私は茜音さんが指差した席に、ゆっくり座った。
「さて……どこから話そうかな?」
「どこからって……!なんで、なんで今まで黙ってたんですか!」
私は大声で言った。
「聞け。C-998」
びっくんっ……
急に体が震えた。
C-998……
意味がわからないけど……
なんとなくわかる気がした。
でもわかりたくなかった。
なにか言わなきゃ……
あれ……?
喋れない……
「お前はよくやってくれた。感謝するぞ」
は……?
「ふっ……。まだ何も理解していないようだな。いいだろう、教えてやる。この世界の真実を」
嫌だ……
聞きたくない……
「この世界の結末は最初から決まっている。まあ……プログラムで動いていると思った方が早いな」
そんなの……
誰が信じるの……?
「そして、この世界の出来事は、世界を滅ぼすための魔力を溜める過程に過ぎん。お前がフェブラスと戦うのも、恋愛をすることも……。お前が経験したすべてが、お前が救おうとした世界を壊しているんだよ」
…………
……………………
「そして、この世界の人々……いや全てが、ただのプログラムだ」
は……
ははっ……
「ふ、ざ……けないでよ……」
私はやっと口が開けた。
「なんで……!!!なんで!!!信じてたのに!!!茜音さんのことだって……!!!」
「黙れ。それと……私は茜音ではない」
は……?
「私は、梨花。そして、お前は……私を元にして作られた、998回目の魔力の器だ」
…………
私が……
魔力の器?
998回目……?
女王のコピー……?
違う!
私は、人間!
器じゃない!!!
でも……
でも……
「私は……なんのために……戦ってきたの?」
「それはな……」
シャキンッ……
女王が剣を握った。
「お前が貯めた魔力で、この世界……いや、現実世界も滅ぼすためだ」
シュン……
私は紙一重で、女王の剣を避けた。
ジャキッ……
私も剣を構えた。
「ほう……。立ち向かってくるか。五獣の力すら持ってないくせに」
「だまれえええええええええ!!!!!!!!」
ブンッ……!
私は、女王に向かって剣を振った。
シュゥ……
女王はひらりとそれを避け……
グザッ……!
私の腹に剣を突き刺した。
「ぐはぁっ……」
女王の剣に、身体中の魔力が吸い取られていく
「今回もよくやってくれた。999回目……最後も頼むぞ」
ドダッ……
私は倒れた。
全身の力が抜けていく……
薄れゆく意識の中、今までのことが走馬灯のように思い返された。
だけど……
それは……
私は意識を完全に失った。
私は……
なんのために……
誰のために……
生きてきたんだろう……?
【C-998進捗率100%】
【C-998プログラム:終了】
【世界崩壊進捗率:99.9%】
(第一部 完)




