95話:手紙
メメントモリを討伐してから1週間……
予定通りなら……アリアさん、イヴちゃん、にゃも助が目を覚ます日だ。
ただ、昼になっても全員目を覚ます気配がない。
私は、誰もいないシェアハウスのリビングの椅子に、寂しく座っていた。
心配だ……
このまま全員、目を覚さなかったらどうしよう……?
私、独りになっちゃうの……?
嫌だ……
異世界で独りで暮らしてくなんて……
私は、不安と心配が溢れかえって泣きそうだった。
その時……
コンッコンッ
「ん……?」
2階の窓を叩くような音が聞こえた。
タタタタタッ……
私は、急いで階段を駆け上がった。
コンコンコンッ……
私の部屋から何度も叩く音が聞こえる。
バンッ……!
私は部屋のドアを思いっきり開けた。
部屋の窓を見ると、1匹の白い鳩がクチバシで窓を叩いていた。
「何これ……鳩……?」
そこには白色の鳩がいた。
私は鳩の全身を見た。
鳩の足に紙が巻き付かれている。
その時、私はアルファさんが言っていたことを思い出した。
(魔力の増え方が自然にあるそれとは違う。徐々に増えるのではなく、ランダムなタイミングで一気に増えているんだ。だから、私は人為的工作しかありえないと思う)
(私たちのほうでも調査はする。何かわかったら、ウェンター王国に梨花ちゃん宛で手紙を送ろう……)
「もしかして……!」
世界の魔力が増え続けてる原因がわかったのかも!!!
私は窓を開け、鳩の足に巻き付いていた紙を取った。
私は、丸まっていた手紙を読んだ。
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拝啓
木下梨花様
こういうのはまず、挨拶をするべきなのだろうが、時間がないから省かせてもらおう。
梨花ちゃん……。私たちは、世界の魔力が増え続けている原因……いや、原因となっているものがわかった。
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なぜだろう……
私は、ここから先を読みたくなかった。
だけど……
読まなければならないという使命も感じた。
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原因は……ウェンター王国だ。
何故かはわからんが、ウェンター王国が巨大な魔力の入れ物のようになっている。
最初、私は何かの間違えだと思った。
だが……これが真実なら、フェブラスがウェンター王国を狙っている理由も頷ける。
梨花ちゃん、頼む。
ウェンター王国に隠されている謎、それを解き明かしてくれ。
それと……
このようなことを言うのは心苦しいが、ウェンター王国の連中はこれを知っていた可能性もある。
それを踏まえ、十分注意してくれ。
敬具
監視官:アルファ
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「は……はは……」
私は、笑うことしか出来なかった。
ウェンター王国が、世界を滅ぼす原因?
アリアさん、イヴちゃん……王国の人々が、そのことを知っていた……?
「信じられるわけないじゃん……そんなことぉ!」
私は、膝から崩れ落ちた。
今まで……戦ってきたのは、なんだったの?
どうして、みんな隠してたの……?
私の精神はボロボロだった。
気がついたら、私はシェアハウスを出て、どこかに向かっていた。
私は、何を考えているのだろう?
もうわからないや。
私は、いつの間にか、王室の前にいた。
ガチャ……
王室のドアが急に開いた。
女王が玉座に座っている。
そして、私にこう言った。
「遅かったじゃないか……梨花ちゃん」




