94話:夢幻
「はあ……はあ……。倒せたの……?」
私は、意識を失いかけていた。
おそらく、魔力を限界以上に使ったせいだろう。
私は横を少し見た。
そこには、アリアさんが力なく倒れていた。
「梨花ちゃん!」
メリーナがこちらに駆け寄ってきた。
「メ……リーナ……」
ちゅっ……
メリーナは私に口付けした。
その瞬間、私の体に魔力が流れ込んできた。
魔力が流れ込んできたのと同時に、私は意識が元に戻った。
「梨花ちゃん……よかった……!」
「メリーナ……ありがとう」
「ううん!私、梨花ちゃんが生きてくれてるだけで嬉しいから!」
メリーナは涙を流しながら言った。
「でも……なんで……?死んだはずじゃ……」
「あの後、私は……」
メリーナは頭の中のうっすらとした記憶を頼りに、梨花に事の顛末を話した。
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あの後、私は……
サイモスに兵器として改造させられそうになったの。
暗い部屋の中で、毎日実験させられる日々が、ずっと続いてた……
私は、もう自分が誰だかわからなくなっていたの。
でも、ひとつだけ覚えてることがあって……
それは、梨花ちゃんのことだけは確かに覚えてたんだ
なんでかは、自分でもわからない。
だけど、梨花ちゃんを思う気持ちが強くなって……
私は改造を拒絶した。
とにかく叫んだ
だけど……改造できないと判断された私は、殺された
殺された後、私は魔力だけの存在になった。
そして、私はメメントモリのブレスレットの宝石に囚われ続けた。
だけど、一瞬……
梨花ちゃんと、金髪の子が、苦しそうに倒れていたのが見えたの。
その時、私は助けなきゃって思って……必死に宝石の中でもがいた
もがいて
もがいて
もがき続けた
そうしたら、宝石を砕いて、外に出ることができたの……
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メリーナは、ふぅと一息ついた。
「じゃあ、今のあんたは……」
「うん。魔力だけの存在……天使みたいなものかな?」
メリーナは少し微笑みながら言った。
私は悟った。
メリーナが、もう直ぐ消えてしまうことを……
「ねえ、梨花ちゃん。私、梨花ちゃんのお嫁さんにはなれなかったけど、大切な人にはなれたかな?」
メリーナは、少し悲しそうな顔で言った。
「うん……!あんたは……メリーナは、私の大切な人だよ!」
「ふふっ……。よかった……」
その瞬間、メリーナの体が徐々に光出した。
「あ……もう時間みたい……。安心して、金髪の子は死んでないし、魔力の消費量がそこまで多くなかったみたい。だから、1週間も経てば目を覚ますと思うよ」
「メリーナ……私たちを守ってくれて、ありがとう」
「えへ……好きな人を守るのは当然だからね!」
メリーナは笑いながら言った。
メリーナの体がどんどん、消えかけていく……
「ねえ……梨花ちゃん。最後にキスしてもいい?」
「もちろん……!」
ちゅっ……
「んっ……」
「ん……」
私たちは長く儚いキスをした。
「梨花ちゃん……好きだよ」
メリーナは微笑みながら、消えていった。
「メリーナ……私も!」
私が返事をした時には、もういなかった。
「…………。ぅ……うぅぅ……」
私はただ、泣き崩れることしか出来なかった……




