92話:希望の炎
「永夜ノ鎌鼬!!!!!!!!」
ガガガガガギッッッ……!
魔神は、無数の斬撃を全て防いだ。
「俺は何度も同じ技を受ける気はない」
「ふっ……バカめ……!」
死神は魔神の腹に手を当てた。
「それは撹乱の技に過ぎん!ダーク・アレイション!!!!!!!」
ヴゥゥゥゥゥン……
ドガゴッ!!!!!
魔神の腹をブラックホールが貫いた。
「がぁっ!!!てめぇ……!!!」
魔神が一瞬、地面に膝をついた。
「これで終わりだと思うな!」
死神は、空高く飛び跳ね、魔力を全力で溜めた。
「貴様には、我の本気を喰らわせてやる!!!!!!」
ブゥゥゥゥゥ…………
ヒュン……
ヒュイン……
世界が暗転と明転を繰り返した。
「塵……いや、無になりやがれ!!!!!アブソルート・デス・アンデイング!!!!!!!!!!!」
ヒュン…………
小さな黒い球が、魔神目掛けて、ものすごいスピードで飛んでいった。
キーーーーーーッ…………
金切音のような音が世界中に響いた。
「これで終わりだ」
ドガゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!!!!!
バンッ!!!!!!!
「ぐっがあああああああああ!!!!!」
魔神の悲鳴が響く……
魔神は、もう原型を留めていなかった。
「はあ……はあ……!」
死神は、地面に倒れた。
死神の魔力はもう底を尽きていた。
「クソ!魔力を使いすぎた!だが……あいつはもう戦えねえ!」
死神は勝利を確信した。
だが、その確信は一瞬にして崩れ去った。
「戦えねえだとぉ……」
魔神はドロドロになった体で立ち上がった。
「この俺がぁ!!!てめえ如きにやられるわけねえだろ!!!!!!」
魔神は徐々に倒れた死神に近づいていく。
死神は恐怖した。
致命傷を負わせても、何度も回復し、襲いかかってくる姿に……
死神は死を悟った。
自分が引導を渡す側なのに、今この瞬間、渡される側に回った。
「化け物が……」
死神は目の前に立った魔神に向かって、消え入りそうな声で言った。
ブゥン!!!!!!
魔神が、倒れている死神に向かって全力で拳を振るった。
(ああ……畜生……。死にたきゃねえな……)
死神は、魔神の拳が腹に当たる瞬間、心の中で悔しくつぶやいた。
ビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!!!!!!
死神が死を悟った瞬間、炎の塊が魔神目掛けて猛突進してきた。
「なに!?」
「クソジジイィィィィィィィ!!!!!!!!!」
シュゥン!!!!!!
「は……?」
魔神は、何が起きたか理解できなかった。
気づいたら、自分の体が目の前にあった。
「ま……さ……か……」
魔神は横を見た。
横には、虹色の両翼と尻尾、巨大な炎の大剣……そして、炎の王冠を被った紅蓮の天使がいた。
「エリファリアァァァァァァァ!!!!!!」
「クソジジイ!てめえを殺すために、妾は地獄の淵から這い上がってやった!」
「ふざけるなあああああああ!!!!!!」
メギッ……
メギギギッ……
メギメギメギメギッ……!!!
魔神の胴体が頭を拾い上げ、無理やりくっつけた。
魔神は、もはや体の原型を留めておらず、立っているのもやっとの状態だった。
「はっ!なんだその姿?蛆虫でも湧いたようだな!」
「うるせえ!!!!!!貴様を殺せるのなら、この身なんぞどうでもいい!!!!!」
「そうか……ならば!これでも喰らって死……」
ドザッ……
「は……?」
天使は、剣を振りかざした瞬間、地面に倒れた。
「ま、さか……。魔力切れ……」
天使の体が徐々に消えかけた。
天使は咄嗟に死神に目をやった。
死神も同じく、体が消えかけていた。
「ふっ……ふはははははは!どうした!!!さっきまでの威勢は!!!」
天使はただ、魔神を睨みつけることしかできなかった。
「どうやら時間切れのようだなぁ!!!!!!まあいい!お前らを殺さなくても、依代を殺せば、お前らも死ぬからなあ!!!!!」
「くそっ……。梨花……すまない……」
天使と死神の姿は、依代の状態に戻った。




