85話:聖剣
「くっ……」
剣が光り始めた途端に、ミレアさんが苦い表情をした。
「先生!大丈夫ですか!?」
「アリア……少し力を貸してくれ!」
「はい!」
「私の手の上に、手を!」
アリアさんが、ミレアさんの手に手を重ねた。
「アリア!魔力を、手に!」
「はい!」
「うおりゃああああああ!!!!」
ヒュン……
ミレアさんが叫んだ途端に、剣から放たれていた光が消えた。
ボロッ……
その瞬間、鉱石がボロボロに崩れた。
「成功だ……!」
私たちは剣に目をやった。
「すごい……!剣の見た目が変わってる!」
先程まで素朴だった剣が、今では金色の差し色が入った、スタイリッシュな剣になっていた。
これほど聖剣という言葉が似合う剣はないだろう。
「おそらく、見た目が変化したのは膨大な魔力によるものだろう」
ミレアさんが言った。
「ちょっと持ってみます!」
アリアさんが剣を握った。
「っ……!すごい……!!!剣から無限に魔力が湧き出てくる感じがする!!!」
「あの、私も触ってみてもいいですか?」
「もちろん!」
私は聖剣を握った。
「っ……!!!なに……これ!!!今までの剣とは比べ物にならない魔力の量……!!!」
私のレーヴァテインよりも魔力の量が多い!
すごい……!!!
「これなら……!フェブラスなんかボコボコにできる!先生!ありがとうございます!」
「ああ。この剣で、ウェンター王国を守ってくれ」
「はい!」
私たちは実験室を後に、シェアハウスに向かった。
向かってる最中、アリアさんがこんなことを聞いてきた。
「そういえば……梨花ちゃんと、にゃも助くんって別世界から来たんだよね?」
「はい!」
「梨花ちゃんのお母さんとか、お父さん、今頃梨花ちゃん達のこと探してるのかな?」
「どうなんでしょう……?もしかしたら……元いた世界から、私の存在が無くなってたりして……」
「うーん……どうなんだろうね……」
確かに元いた世界では、私は今どうなっているのか気になる……。
でも、確認する方法がないし……
あ!
お父さんと、お母さんで思い出した!
「あ!そういえば……」
「どうしたの?」
「この話、アリアさんにしてなかったんですけど……。私、里子なんです」
「え……」
「それと……シングルマザーの里子だから、お父さんがいないんです」
「そうだったんだ……。ごめんね、さっきの話」
「いいんです!気にしないでください!あ!そろそろシェアハウスに着きますよ!」
私たちはなんともいえない空気感のまま、シェアハウスに戻った。




