82話:天体
「はぁ……はぁ……。1000年ぶりにこの技を使ったな……」
霊獣は息を切らしながら、洞窟内を見渡した。
そこには、石像になったアリアと梨花、そして原型を留めていないイヴの石像の破片があった。
「石化か……アブノーマル・ヒールでは治せないとなると……」
霊獣は、ふぅ……と短く息を吐き、目を見開いた。
「スター・リカバーを使うしかないか……。にゃも助の体が耐えてくれればいいが……」
霊獣は梨花に近寄り、梨花の頭に手を置いた。
「スター・リカバー!!!」
―――――――――――――――――――――――
ピシッ……
ピシピシッ……!
パリンッ……!!!
梨花にまとわりついていた石が完全に割れた。
「は!!!私……。いや!そんなことより大蛇は!?」
「それは心配いらない。私が倒しておいたよ」
「あなたは……?」
「私は霊獣バルファリア。にゃも助から聞いてると思うが、にゃも助の体を借りている者だ」
「あなたが……。それより、どうやって石化を解いたの!?」
「私の魔法で解いた。私の魔法は特殊でな……天体の力が宿っているんだ」
「天体の力……?」
「ああ……天体の力は、文字通りの意味だ。天体の力を借り自身の魔法を強化する。強化された魔法は、通常よりもはるかに強くなるんだ」
「へぇ〜……。普通の人も天体の力を使えるの?」
「それは不可能だ。天体の力の使い方は、私しか知らないからな」
「なるほど……」
霊獣……
ますます謎の存在だ……
はっ……!!!
こんなことしてる場合じゃない!!!
イヴちゃん!!!!
「イヴちゃんは!?」
「ああ……イヴならあそこに……」
霊獣は顔をバラバラになった石像に向けた。
「あ……あぁ……」
私は泣き叫びそうだった。
一緒に旅をして愛し合った人が、無惨にバラバラにされているのを見たからだ。
「梨花……お前の修復魔法なら石像を治せるかもしれん……」
はっ……!!!!!
その手があったか!!!!!
タタタッ……
私はすぐにイヴちゃんの石像の破片に駆け寄り、手をそれに置いた。
「絶対……絶対治してみせる!!!!」
石像の破片に全力で魔力を送った。
「うおおおおおおお!!!!!」
パシ……パシパシ……
一つの破片に周りの破片がくっついていく。
ただ、私の魔力の限界も近かった。
「絶対……イヴちゃんを!!!!!!!!」
パシパシパシ!!!!!!
自分の体から、どんどん魔力が吸い取られる感覚がすごい……!!!
だけど……
だけど!!!!
私が……!!!!
「イヴちゃんを!!!!救ってみせるんだぁぁぁぁ!!!!!!!」
パシパシパシパシッ!!!!!!!
石像の破片が集まり、イヴの石像が姿を現した。
「はぁ……はぁ……!」
私は地面に膝をついた。
「さすがだな、梨花。後は私の仕事だ。任せてくれ」
霊獣はイヴの石像に手を置き、魔力を送った。
「スター・リカバー!!!!!!」




