7話:騎士団長と…
この世界に来て1週間が経った。
私は、イヴちゃんと毎日、剣術の鍛錬をしていた。
「梨花さん、敵を斬る時はもっと、腰をひねって勢いよく!」
私は、木の棒の的に向かって剣を振っていた。
スパッ!!
昨日から、ようやく的が切れるようになった。
「梨花さん、いい調子です。では、次はこれを切ってみましょうか」
イヴちゃんが一本の木を魔法で召喚した。
そう、イヴちゃんの得意な魔法は召喚魔法。
つまり、威力は無く特別な効果の魔法…
無属性魔法。
おそらく、この世界で1人しかいない無属性魔法の使い手だ。
しかも、それ以外の魔法も人並み以上に使える。
イヴちゃんは魔法と剣術の天才だ。
「梨花さん、この木は技を使わなければ切れません。今から梨花さんには、技の扱い方を学んでもらいます」
「技って…アリアさんが私を助けるときに使った、スカイスラッシュってやつ?」
「はい。スカイスラッシュは剣術を極めてないと出来ませんが、それ以外にも色々な技があります。そうですね、梨花さんには今からスカイスラッシュの派生前の技……ウィンドスラッシュを覚えてもらいます」
「ウィンドスラッシュは、どうやって使うの?」
「それは、剣に風が纏っているのをイメージするんです。イメージをすれば、自分の魔力が、刃に風を形成します。ウィンドスラッシュはそこまで魔力を使わないので、梨花さんでも、習得可能な技です」
「魔力が人よりも少ない私でも使えるの?」
「はい」
「わかった!早速やってみる!」
剣に風が纏ってるイメージ
………
私は目を瞑って頭の中でイメージした。
その瞬間…
手から風の冷たさが伝わってきた。
今!!!!
「ウィンドスラッシュ!!!」
私は木に向かって、剣を振った。
ズバッ!!!!
木が斜めに切れた。
やった!!!!
「梨花さん!流石です!」
「えへへ、ありがとう!」
「普通は2日かかるのに、この短時間で習得できるとは…。もしかしたら、剣術の才能、私以上にあるかも…」
「ふぅ…でも、なんか、いつもより疲れたかも」
「あ、それは魔力を使ったからです」
「え?」
「魔力は体力の一部でもあるので、魔力を使うと体は疲れます。ただ、日頃から少しづつ魔力を使えば、慣れますよ」
「わかった。頑張る!」
「この調子なら、5日後には、入団試験ができますね。入団試験で合格すれば、仮騎士ではなく、れっきとした王国騎士へと昇格です!」
「じゃあ、合格できるように頑張る!」
「お!梨花ちゃんやってるね!」
「アリアさん!こんにちは!」
「アリア様、梨花さんが、ウィンドスラッシュを扱えるようになりました」
「成長が早いね!この調子で頑張って!梨花ちゃん!」
「ありがとうございます!」
「あ、そうそう。梨花ちゃん、今日の21時くらい私の部屋に来てくれる?」
「騎士団長室にですか?」
「あ、違う違う。私の自室!あ、場所教えてなかったっけ?梨花ちゃんの部屋がある3階の1番端っこの部屋!」
「わかりました!21時に、そこに行きます!」
「よろしくね♪」
そう言い、アリアさんは帰って行った。
「アリア様、そんな夜遅くに、梨花さんに授業をするのでしょうか…?」
「さぁ…私もわかんない。」
なんで、私はアリアさんに呼び出されたんだろ?
あ!
もしかして、お部屋デート?
だとしたら、めちゃめちゃ嬉しいんだけど!
あ〜、早く夜にならないかな〜
夕飯や、お風呂を入っていたら、いつの間にか21時になっていた。
私は、アリアさんの部屋のドアをノックした。
コンコン…
「梨花ちゃん、入っていいよ」
「お邪魔します…」
って、
え…?
なんで、アリアさん、そんな薄着なの?
これは…見ていいのか?
「あの、アリアさん?なぜ、そんな薄着なんですか…?」
「それは…」
アリアさんは恥ずかしそうにこう言った。
「それは、その…。一緒に……その……」
「え……?」
「……」
え…?
マジで?
……
「あの、本当に、私でいいんですか?」
アリアさんは小さく頷いた。
「わかりました…じゃあ……」
それから私たちは、一緒に夜を過ごした……




