71話:お礼
コンコンッ……
アリアさんは王室のドアをノックした。
「ん?誰ー?」
アリスさんの元気な返事が返ってきた。
「ウェンター王国の少数精鋭部隊です」
「ああ!ちょっと待ってて!!」
ガチャ……
「みんな!生きてて良かった!体調は大丈夫?」
アリスさんが王室のドアを開けて、私たちに聞いてきた。
「一時は大変でしたが、今は全員元気です!」
「良かった……!本当に良かった!!!そして、サンドーラ王国を救ってくれて、ありがとう!!!!」
アリスさんは少し泣きそうな顔で言った。
「あ!そうそう!みんなに渡したいものがあるんだよね!」
アリスさんは、私たちに一冊の本を渡した。
「これは……?」
私は聞いた。
「これは、世界の魔法の書。魔法の母、アリーネ・リンポスが書いた、魔法の根幹が載っている本だよ。」
「そんな貴重なものを貰っていいんですか!?」
「うん。この国にいるリンポス家の2人が、あなたたちに渡すように言ったんだ」
「ルイアさんと、アルカちゃんが……」
「みんななら、この本を正しい方向に使ってくれると信じてる。だって、私たちを救ってくれたんだもん!」
アリスさんは微笑みながら言った。
「必ず、世界のために使うと誓います!」
アリアさんが、私たちを代表して言った。
その後……
私たちは、馬車でウェンター王国に戻ることになった。
「じゃあね、みんな!またサンドーラ王国に遊びにきてね!」
「はい!絶対、また来ます!」
その時……
「はぁ…はぁ!間に合った!お前たち、もう帰っちゃうんだな……」
アルカちゃんが言った。後ろにはルイアさんも居た。
「みなさん。私たちを助けてくださりありがとうございました。この恩は一生忘れません」
「それと、これ……」
アルカちゃんは私たちに、あの仮面を渡してきた。
「これ、あげる。この仮面は、幸せになる効果があるらしい。みんな、元気でな!」
「ありがとうございます。アルカちゃん」
イヴちゃんが笑いながら言った。
「うるせー!デカパイ女!」
アルカちゃんは照れながら言った。
「デッ……。私はデカパイじゃありません!」
「じゃあ、ひんにゅー!」
「貧乳でもありません!!!」
イヴちゃんが顔を赤らめながら言った。
「では、みなさん!お元気で!」
私たちはみんなに挨拶をし、サンドーラ王国を出た。
馬車に揺られながら、私たちはサンドーラ王国での思い出を語り合っていた。
「みんな、いい人たちだったね」
アリアさんが言った。
「そうですね。また行きたいです!」
「とりあえず、ウェンター王国に帰ったら、女王様に事件解決の報告をしなければなりませんね」
「そうだニャ。でも、僕、ちょっと疲れたニャ……」
「にゃも助ったら……すぐに寝るから、こんなもちもちになっちゃうんだよ!」
「うるさいニャ!関係ないニャ!」
やっぱり、事件を解決して、みんなと雑談をしている時が1番楽しい!
この時間がずっと続けばいいのになぁ〜!
っ……!
あれ……?
なんか、今一瞬めまいがした?
まあ、気のせいか!
そんなことを思ってたら、いつの間にかウェンター王国に帰ってきていた……




