68話:キャバ嬢医者
どれくらいの時間が経ったのだろう……
私は気がついたら、知らない部屋のベットの上にいた。
「んっ……」
体を起こしてみる。
「がっっっぁ……!!!!」
その瞬間、激痛が全身に走った。
「ちょちょちょ!まだ寝てなきゃ!」
横から声が聞こえた。
「あなたは……?」
横には青緑色の髪の毛の、いかにもキャバ嬢という感じの女の人がいた。
「私はルイア・リンポス……アルカの姉だよ」
「あなたが!?無事だったんですか!?」
「ええ。ベギスターの拷問を受けて、眠らされて殺されかけたけど……あなた達が助けに来てくれたおかげで、死なずに済んだよ!ありがとう!」
「いえいえ……。それで、あなたが私たちを見つけてくれたんですか?」
「ううん。サンドーラ王国の部隊が砂漠で倒れているところを発見したんだって。それで……あなた達は救助され、牢獄にいた私たちは保護されたんだ」
「なるほど……」
「それと、あなた達が負った傷はどれも深くて……。特に、梨花ちゃん……。君は死にかけたんだよ」
「え……?」
私が死にかけた……?
なんで……?
フェネクスの力で傷は治るはず……
「でも!私の体に傷はなかったはず!」
「魔力痛だよ。自分の体を滅ぼす強大な魔力を使ったせいで……」
「魔力痛……」
魔力痛……恐ろしい……
「とりあえず、私の治療が間に合ってよかったよ」
「今、私の治療って……?」
「ああ、この話はしてなかったね。じゃあ改めて自己紹介ね。私はサンドーラ王国名誉医師ルイア・リンポス。ついでに副業でキャバ嬢もやってるよ!」
名誉医師……
アルカちゃんのお姉さんが、そんなすごい人だったなんて……
「あ……木下梨花です。」
「よろしくね!梨花ちゃん!それと、これから1週間は私があなた達の怪我を完治させるから……しばらくウェンター王国には帰れないことを知っておいてね」
「はい!よろしくお願いします!」
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老人は川を見ていた。
小鳥のさえずり……
水面の静かな波……
川の流れの音……
老人は世界を見た。
「ベギスターが死んだか……」
老人は悲しそうに呟いた。
「サイモスに報告しなければな……。ただ今回の空間転移者がここまで強いとは……。わしでも勝てん相手かもな……」
老人はトボトボ歩いた。
「おい、サイモスや。」
「は!メメントモリ様!」
「よせよせ、今はお前がフェブラスのリーダーじゃ。本題に入ろう……ベギスターがやられた」
「左様でございますか……」
「それで次は誰を仕向けさせるんじゃ?」
「はい。メデューサのディーファを使うつもりです」
「なるほどのお……ただ、ディーファだけでは心苦しくないかの?」
「ディーファが死んだとしても、こちらにはメリーナがいます」
「ああ……ただ、あやつも今すぐ使える状態ではないだろう?」
「はい……。調整に手間取っています」
「しょうがない……ディーファの次はわしが出るとしよう」
「メメントモリ様が!?無茶です!!!」
「これでもまだまだ現役じゃ。それに、あやつとの決着もつけたいしのう……」
「あやつとは……?」
「ほほほ!それは秘密じゃ」
「わかりました……。くれぐれも無理はなさらず……」
老人は空を見た。
「この空が赤色に染まる時、決着がつくじゃろう……」




