66話:真紅
「うぉりゃああああ!!!」
私は剣を振るった!
ガキンッ……!
「グロロロロ……」
硬い!!!
傷一つすら与えられない……!
「グロォォォォォォォ……!!!!!」
ドラゴンが爪で攻撃してきた!
ガキッ……!
「ぐっ……!!!!」
ギリギリ剣でガードできたけど……
反動がデカすぎる…!!!
ドゴォォォォォォォォン!!!!
「がはぁっ…!!!」
私は砂に体を打ちつけた!
くそっ……
こいつ……
デカい割に動きが速い……!
「グロロロロ!!!!ゴハァッ…!!!」
ドラゴンが炎を吐いた!
「くっ…!」
ドガァァァァァァァン!!!
私は咄嗟に転がって炎を避けた。
「あがっ…!」
左腕に炎があったのだろう…
左腕が焼け爛れ、とてつもない痛みが走った。
やばい……
このままじゃ、エリファリアが出てきちゃう……!
次、エリファリアに変身したら私は……
「グロロロォォォォ!!!」
ドラゴンが爪で攻撃を仕掛けてきた!
ガッ……
っっっっっっ…!!!!!
「がぁぁっっっっ…!!!!!!!」
そんな……
剣で受け止めれたと思ったのに……
剣を持つ手が滑って……
体が……
引き裂かれたっ……
このままじゃ……
エリファリアが出てきてしまう……
だけど
エリファリアが出てこなかったら……
私は死ぬ
「グロロロロッ…!!!!!」
ドラゴンが、また攻撃を仕掛けてきた
死ぬ……
死にたくない……
その瞬間……
体から燃え盛るような力が出てきた。
あぁ……
また、エリファリアが……
抑えなきゃ……
力を……
抑えなきゃ抑えなきゃ抑えなきゃ抑えなきゃ抑えなきゃ抑えなきゃ抑えなきゃ抑えなきゃ抑えなきゃ抑えなきゃ抑えなきゃ抑えなきゃ抑えなきゃ抑えなきゃ抑えなきゃ…………
体が燃えるように熱い……
体の底から炎が湧き上がってくる感覚……
ただ…
私は……!
ここで!!
自分を見失うわけにはいかない!!!!!!
「うごあああああああああああ!!!!!!!!!」
その時……
私は自分の炎が操れるのを感じた
「天使の力なんか……私のものにしてやる!!!!!」
彼女の体は変化した。
焼け爛れた左腕は橙色に煌めき
体の切り裂かれた傷からは炎が噴き出て
真紅の片翼が彼女の背中を覆い
彼女の剣は炎そのものとなった
「ベギスター!!!あんたを天の業火で焼き払ってやる!!!!!!」




