63話:理
「ムーンライト・プリズン!!!!」
5匹のトカゲが、イヴちゃんの放った光の檻に閉じ込められた!
「エクリプス・ブレード!」
ドゴォォォォォォン……!
攻撃が当たったけどダメージを与えた感触が無い!
このトカゲ……硬すぎる……!
「にゃも助!あの時の技使うよ!」
「ニャ……!でも梨花、あの技は消費魔力が多いニャ!」
「そんなの気にしてる場合じゃない……!」
「ニャ……!ディダート・ブレイク!!ニャ!」
私の剣の周りに岩が漂った。
「デルター・ブレード!!!」
ミシッミシッミシミシミシ……!
ドゴォォォォォォォォン……!!!!
「グシャアアアア……!」
トカゲが隆起した地面で串刺しになった。
「はあ…はあ…」
「梨花!危ないニャ……!」
「え……?」
キシャァァァ……!
後ろからトカゲが飛びかかってきた!
「スカイスラッシュ!」
「フレイグレス!!」
ザッシュ…!
ボゴォォォォン……!
トカゲが、アリアさんとイヴちゃんの攻撃で丸焦げになった。
「ありがとう!」
「気を抜かないで……まだ10匹以上いるよ……!」
「このままでは埒があきません……私、天使の力を使います……!」
「イヴ!この狭い空間で天使の力を使ったら、上にある牢獄とアルカちゃんを巻き込んじゃう!」
「では……どうしたら!」
「とりあえず……倒す!」
私は言った。
「その必要はありません……」
その時、後ろから声が聞こえた。
「タイム・シャウト……」
ゴォーン……
ゴォーン……
時計の音が聞こえた。
その瞬間、世界の時間が止まった。
ドゴッ…!
ドガァァァァァァァン……!
「タイム・ムーヴ」
キンッ……
「はっ……!?誰!?」
私は声が聞こえた方に目をやった。
そこには、大量に倒れたトカゲの真ん中に、白髪の女の人がいた。
「私は◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎……。私の存在は、あなたにしか見えていない……それに、今この空間には、私とあなたしかいない」
「は……?」
今、この人の名前が聞こえなかった……
しかも、周りには私と、この人以外何も無い。
ここはどこ……?
「端的に言えば、世界の理を守る者です。このままでは、間違った方向に世界が進んでしまいますからね」
「私たちの仲間ってこと?」
「仲間かどうかは捉え方次第です。あなた達が、この世界の理に反することをすれば……あなた達を止めます」
「世界の理って……?」
「決められている流れのことです……。いいですか、この世界は決められている。ただ、こちら側の予期せぬことも起きる」
「つまり、予期せぬことが起きた時、あなたは出てくるってこと?」
「はい」
「決められている流れは、どんな流れなの?」
「すみません。それは、お答えできかねます」
「なんで……?」
「世界の理が崩れるからです。あ……これ以上、干渉するのはいけませんね……。では、私はこれで……」
「待って!まだ話が……!!」
「タイム・スタート……」
ピンッ……




