62話:牢獄
ガチャ……!
アリアさんが扉を開けた!
「これは……!」
扉の向こう側には、牢獄が広がっていた。
そこには、たくさんの若い女の人が囚われている。
「これはひどい……。それに、全員眠っている……?」
「もしかして……。エーデルト・スリープ……?」
イヴちゃんが言った。
「それって……?」
「闇属性魔法の一つです。対象を眠らせることができます。しかも、これで眠ってしまった人は、自力では起きれません」
「じゃあ、どうやったら起きるの?」
「その人に触れたら起きます。ただ、この魔法は、消費する魔力に対して、眠らせるだけという効果しかないので、戦闘ではあまり使われないんです」
「そうなんだ…。とりあえず、起こしてみる?」
「いや、今起きてこの状況に混乱するより、全てが終わってから起こしたほうがいいと思う」
アリアさんが言った。
「確かに……」
その時……
「きゃああああああっ……!」
廊下の奥の方から叫び声が聞こえた。
「っっっ……!」
「みんな!とりあえず、奥に向かおう!」
私たちは奥へと進んだ!
「はあ…はあ…!」
走って奥に進んでいるけど、突き当たりが見えてこない!
その時……
ガチャッ……
床が開いた。
っ……!
落とし穴!?
「うわああああ!」
私たちは落下した!
ドスッ……
「痛っった……!」
「みんな……大丈夫?」
アリアさんが掠れた声で言った。
「はい……。なんとか……」
「大丈夫です……」
「大丈夫ニャ……」
「ふはははははは……!滑稽だな!」
私たちは前を見た。
「ベギスター!!!!」
「まんまと罠にかかるとはな!」
「アルカちゃんをどうした!?」
「アルカか……奥の部屋で姉と一緒に、お仕置きをしてもらってるぞ……安心しろ、死にはしないだろう……」
「くっ……!あんたを倒して、囚われている人達も、アルカちゃんも解放する!」
「やれるものならやってみろ!」
「みんな!やるよ!」
私たちは武器を構えた!
「ただ、4人でかかってこられたら、俺とて勝つのは難しいだろう……。来い!ネオグレイズ!!!」
ガサガサガサッ……!
周りから、2メートルはある巨大なトカゲが大量に出てきた。
「こいつらを倒せたら、俺が戦ってやろう……」
「卑怯な!」
「せいぜい頑張るんだな!」
ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴォ……
ベギスターはそう言い、地下に潜っていった。
「みんな、焦らないで武器を構えて。なるべく体力を使わずに倒すよ!」
アリアさんが言った。
「私と、にゃも助くんの魔法で動きを鈍らせます!その隙に倒してください!」
イヴちゃんが言った。
シャァァァァアア……!!
無数のトカゲがこちらに向かって、飛びかかってきた!
「みんな、やるよ!」




