50話:フェネクスの力
「今の梨花には負担が大きいが……この力を使う!」
ゴオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!
天使の周囲が炎に包まれた!
「な、なんだその力は!?」
炎の中から現れたのは、巨大な虹色の片翼を持った天使だった。
「妾の本気の35%だ……。これ以上、本気を出したら、梨花が負荷に耐えれず死んでしまうからな」
「たかが見た目が変わったくらいだろ!!!図に載るな!!!!」
死神が鎌を振るった!
サッ……
天使が死神の横を通り過ぎた。
「お前!!!なぜ我の攻撃が当たっていない!!!!」
「お主には見えないだろな。それと……お主の鎌、もう使えないぞ」
「なに!?」
その瞬間
ボロボロ……
鎌が粉々になった。
「お前!!!あの一瞬で何をした!」
「お主の攻撃を剣で受け止め、鎌を切り裂いた。お主の攻撃は遅いな。一瞬で見切れたぞ」
「黙れ!黙れ!!黙れ!!!これで死ぬがいい!!!!アブソルート・デスファイション!!!!!!!」
死神の上空に、黒い雷を纏ったブラックホールが出現した。
「ほう……。なかなか、いい技を出すじゃないか。ただ……妾には効かん」
「余裕なのも今のうちだ!!!死ね!!!!!」
ブラックホールが天使に近づいてきた。
「エクリプス・ブレード!!!!!!!!」
ピシッ……
ドゴォォォォォォォォン!!!!!!!
「な……なに!?!?我の、我のブラックホールが真っ二つになっただと!?」
「やはり、梨花の技は便利だな」
「クソ!クソクソクソクソ!!!!!!まだだ!!!まだ、終わってない!!!ダーク・アレイション!」
フゥン……
「何故だ!何故、魔法が出てこない!!!」
「どうやら、魔力切れみたいだな」
「ま、待て!我を殺せば、梨花の仲間のアリアも死ぬ!!!それでもいいのか!?」
「お主……にゃも助に、なんでアブノーマル・ヒールの準備をさせているのか、わかるか?お主をアリアの体から追い出すためだ」
「クソ!!!やっとの思いで手に入れた、魔力の高い体だ!失ってたまるか!!!」
死神が空に羽ばたいて逃げようとした。
「逃すか。フレイ・プリズン!」
死神が炎の檻に閉じ込められた。
「にゃも助!今だ!!!」
「はいニャ!!!アブノーマル・ヒール!!!!ニャ!!!」
死神にとてつもない光が降り注いだ。
「ぐぐぐああああああああ!!!!おのれぇ!!!!おのれぇ!!!!!」
死神の体から闇が噴き出た。
死神がいた檻にはアリアが横たわっていた。
「終わったか……。にゃも助!」
「はいニャ!」
「猫に怪我人を任せるのは心苦しいが、今は猫の手も借りたい。妾たちの手当てを頼めるか?」
「わかったニャ!任せてニャ!」
「助かる。妾は変身を解く。あとは頼んだぞ……」
「はいニャ!」
そして、炎の天使は消え、彼女がいた場所には梨花が倒れていた。




