4話:騎士団長様は意外と変態
「ここが武器庫ですか〜!色々な剣と盾がありますね!」
「ええ、この中から好きな剣を一本あげるわ。そうね、初心者が使う剣なら…ここら辺にある剣かしら?」
「おお!この剣とか、かっこいいですね!」
私は、いかつい剣を持って言った。
「うーん、でもそれ、あまり切れ味良くないわよ。」
アリアさんがそう言った時、私はある剣が目にとまった。
この剣って…
なんか…日本刀に似てる…
私はそれを持ってみた。
軽い…プラスチックかと思うくらい軽い…
「あの、アリアさん。この剣を貰ってもいいですか?」
「ええ、いいわよ。ただ……それ、いつからあるのか、わからないの」
「と、言いますと?」
「知らないうちに武器庫にあったのよ」
「なるほど。でも、私、これ気に入ったので、これで剣術の練習をします!」
「そう。じゃあ、これから一緒に頑張りましょうか!」
「はい!」
私たちは武器庫を後にしようとした。
武器庫を出る前に、ふと目につく物があった。
ん…?
あそこに置いてあるのだけ武器じゃない…
というよりか…
私は武器ではない、何かに近づいて見てみた。
これは…電動マッサージ機に似てる…
私は、その電動マッサージ機っぽいやつのスイッチを押してみた。
ヴヴヴヴヴヴヴ!
あ、これ、完全に電動マッサージ機だ…
この世界にもあるんだ…
その瞬間、後ろからドタッと聞こえた。
振り返るとアリアさんが膝から崩れ落ちてた。
「ぁぁ…ぁぁぁ…」
アリアさんは頬を赤らめながら、声になってない声を発していた。
「あの、これって…アリアさんのものですか…?」
「ぁぁぁぁ…ぁ…バレちゃった…」
アリアさんは半泣きでそう言った。
「あの、でもこれ、電動マッサージ機なので、肩とかに使うんですよね?きっと…」
「ぅ…ぅぅ…」
アリアさんは泣き出してしまった。
「あの、アリアさん?」
「……に使う…」
「え…?」
「ひとりで、そういうことをする時に使う…」
…
………
え?
アリアさん……
「仕方ないじゃない!私だって、日々の訓練とか、仕事とかで、ストレスが溜まるのよ!しかも、しかも、そういうことがしたい欲が溜まっても、相手がいないし!1人でそういうことして、何が悪いのよ!」
アリアさんは泣きながら大きな声で言った。
「アリアさん…あの、落ち着いてください。私も使ったことはありますので…ね?」
「ぅ…ぅぅ…。みんなには、黙っててくれる…?」
あ…
そんな…泣きながらお願いされると…
ん?これは…チャンスなのでは?
私は今、とんでもなくゲスいことを考えた。
「もちろん!私と、にゃも助と、アリアさんだけの秘密です!ただ…私と定期的にデートしてください!」
「え…梨花さんと定期的にデートをしたら…黙っててくれるの?」
「はい!」
「……わかった…」
よっしゃあ!
異世界美少女とのデート決定!!!!
私はチラッと、にゃも助の方を見た。
にゃも助は、悪魔でも見ているかのような顔をしていた。
まあ、何はともあれ、夢にまで見た異世界美少女とのデートが決定した。
これほど嬉しいことはない。
「じゃあ、アリアさん。明日、デートしましょう!」
「うん…」
アリアさんは小さな声で言った。
「気を取り直して、早く練習場に向かいましょ!アリアさん!」
私はアリアさんの手を握って武器庫を飛び出した。




