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45話:翠碧

翌日……


私とアリアさんは、昨日の部屋で今日の特訓内容について聞いていた。

「じゃあ、特訓内容の説明の前に、この国……まあ、もう国自体はないが、この国に言い伝えられていた武術について教えよう」

ウェンター王国で言う紅玉みたいなやつかな?

「この国の武術の名称は翠碧。水属性魔法と土属性魔法を主に使う武術だ」


水属性と土属性……

どちらも私、まだ完璧に使えない……


「あの……私、水属性魔法と土属性魔法、どちらも使えないのですが……」

「それは心配いらない。魔法を使わない技もあるからな」

「代表的な技は何ですか?」

アリアさんが聞いた。

「代表的な技はな……〈一ノ陣:影隠れ〉だ。この技は、全身に魔力を巡らせて、風の音だけに集中する。そうすれば、不思議と自分の存在が周りに気づかれにくくなる」

「もしかして、あの時に私たちに使った技ですか?」

「ああ、そうだ」


あの時、声がかかるまで一切人の気配を感じなかった……


「ついてこい。練習場に案内する」

私とアリアさんはアルファさんについていった。


「ここが練習場ですか?」

練習場というより、体育館のステージみたいなところだった。

「ここは元々、踊り子の練習場だった。ただ、外にある練習場が原型を留めてないほどボロボロになってしまってな。今はここを武道場として使っている」

「なるほど……」

「まずはアリアちゃんを鍛える。アリアちゃん、私とサシで勝負しろ」

「はい!」


アルファさんとアリアさんは、木刀を構えた。


「やああああああ!!!!」


アリアさんが突っ込んだ!


「ぐっ…!」

アルファさんが木刀でアリアさんの攻撃を防いだ!


「いい剣だ!ただ……これに勝てるかな?」

「えっ…!」

アルファさんが消えた……?

「隙あり!」


ドゴッ……


「うぐっ……!」

アリアさんにアルファさんの攻撃が当たった。

「今の技は……?」

「あれが、影隠れだ」

「なるほど……!」

「アリアちゃん。君のとっておきの技を私に放ってみろ」

「とっておきの技……」


まさか……

アリアさん、ルミナス・カーネーションを使うのかな……?


「アルファさん……とっておきの技は私、使ったら気絶しちゃうんです……」

「ならば出力を抑えろ」

「出力……?」

「ああ、全身の魔力の流れを急激に増やすのではなく、ゆったりと増やすんだ」

「ゆったり……。やってみます!」

アリアさんがその場で静止した。


すぅぅぅぅぅぅ……

アリアさんの深呼吸の音が聞こえる……


「魔力の輪廻に飲まれろ……ルミナス・カーネーション!」


ビュン……


「ぐっぅぅぅ……!!」


ドゴッォォォォ!


「がはぁ…!」

アルファさんにルミナス・カーネーションが当たった!


「はぁ、はぁはぁ……。私…気絶してない……?」

「今のはすごかったな。これが魔力の抑え方だ」

「なる、ほど……」

「魔力を抑えて技を撃てば、威力は下がるが長時間戦えることができる。覚えておいた方がいい」

「わかりました。ありがとうございます!」

「さて……次は梨花ちゃんだ。やるぞ!」

「はい!」


私とアルファさんは木刀を構えた。

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