43話:壊れた王国
「これが…壊れた王国……」
すごい…禍々しい……
真ん中に朽ち果てた巨大な城があって、周りが山に囲まれてる……
「みんな、気を抜かないでね。魔物が大量にいるかもだから……」
アリアさんが警告した。
「ミレアさん。その鉱石は、この島のどこにあるんですか?」
「本によると、どうやら地下にあるらしい……。その地下に行く方法は……」
「方法は?」
「城の中にある階段を下るとあるらしい……」
「なるほど……」
私たちは船を港だったであろう場所に止めて、島に足を踏み入れた。
その瞬間……!
チリンッ……
ビーッ…!ビーッ…!
「っっっっっっっ!!!!!」
警告音!?!?
「全員、振り返らずに手を上げろ」
後ろから声がかかった。
いつのまに後ろに!?
後ろは海のはず……
私たちは言われた通りにした。
「いいか…お前らには今から三つ質問をする。1つ、お前らは誰だ?」
「私たちはウェンター王国の少数精鋭部隊……」
アリアさんが答えた。
「2つ、何をするために、ここに来た?」
「この国にしかない鉱石を採取するため」
「3つ、お前らは敵か?」
「そちらが私たちに害を与えない限り、敵じゃない……」
「そうか…振り返ってもいいぞ」
私たちは振り返った。
そこには、高身長の長い青髪の女の人が立っていた。
「脅かして失礼……。私は、国を守るもの……アルファだ」
国を守るもの……?
「あの、国を守るって……?」
私はアルファさんに聞いた。
「そのままの意味だ。私は1人で、この国を守っている。私はこの国を離れるわけにはいかない」
「それは…一体なぜですか……?」
「それは、今は教えられない……。とりあえず、私の家まで案内しよう」
私たちはアルファさんに連れられて、アルファさんの家に向かった。
歩いて15分後….
「って…!家ってこれですか!?」
「ああ。そうだぞ」
そこは、廃墟の城だった。
私たちは城の一室に案内され、椅子に座った。
「それで…お前たちは、この国にある鉱石を探しに来たのだな?」
「はい!」
「そうか……。ただ、あの鉱石は貴重な物だ。そんな安安と渡すわけにはいかない」
やっぱ、そういう流れだよね……
「ただ…私たちを手助けしてくれれば、話は別だ」
「手助けって何ですか?」
イヴちゃんが聞いた。
「それは……私たちと、この国を守ってくれ。」
「守るって……?」
「3日前……この国宛に脅迫状が来た。その文の内容は、この国にある鉱石を、1週間後、奪い取りに行くというものだった。つまり……あと4日後に何者かが、この国に攻めてくるだろう……」
「そいつを一緒に倒したら鉱石をくれるんですか?」
「ああ、2kgくらいあげよう。だから助けてくれ!」
「わかりました。4日後、一緒にそいつを倒しましょう!」
アリアさんが言った。
「助かる!それと…今から私の前に座ってる、茶色がかった黒髪の女の子と2人きりにしてくれないか?」
ん…?
これって……
私のこと…… ?
「えっと……私ですか?」
私は聞いた。
こくこくと、アルファさんは頷いた。
「わかりました……」
アリアさん達が部屋から出ていった。
「さて、これで、私と君、2人だけになったな」
「あの……何か私に用事でも……?」
「ああ、私は君のことを知っている。梨花ちゃん」
え……?
どういうこと……?
「それは…どういうことですか……?」
「私は監視官……。あのグリフォンと同じように、この世界の異常を監視する者だ」




