2話:めちゃめちゃタイプな騎士団長
「おはようございます。梨花様」
私は側近の人に起こされた。
「あ、もう朝ですか?」
「左様でございます。女王様が朝食も兼ねて、王室の方にきてほしい、とのことです」
「わかりました。すぐ向かいます。にゃも助、起きて!」
「ニャ…?もう朝ニャ?」
「ほら、朝ごはん食べに行くよ!」
私は、にゃも助を抱いて、王室に向かった。
「来たか。そこに座ってくれ」
私は椅子に座った。
テーブルには豪華な朝食が並べられている。
「今日も側近には退席してもらった」
「あ、そうですか。ありがとうございます」
「どうだ?うまいか?」
「ええ、こんな朝食、食べたことがありません!」
お世辞抜きでめちゃくちゃ美味しかった。
「最高だニャ!」
にゃも助は刺身を食べながら言った。
「それで、茜音さん。私たちを騎士団長のところに案内してもらいたいのですけど…」
「ああ、かまわないぞ。朝食が終わったら案内しよう」
「それと、にゃも助が魔法の勉強をしたいらしいので、魔法書を貸していただくことって出来ますか?」
「ああ、それもかまわない」
「ありがとうございます!」
私たちは朝食を済ませ、騎士団長のところへ向かった。
騎士団長は城の中にある騎士団長室にいるらしい。
茜音さんがノックした。
「アリア、失礼するぞ」
「はい!女王様!」
私は騎士団長を見た瞬間、一目惚れをした。
これは!!!
私が1番好きなタイプじゃん!!
金色の髪、青い目、細くて、すらっとした体型!おまけに胸もある!
「初めまして。騎士団長のアリア・コントラスです。アリアと呼んでください!」
声もタイプ!可愛らしい声で1番タイプ!
「あの、アリアさん!私、剣術を習いたいです!」
「いいですよ。女王様から事前に聞いています。今日は剣術と魔法の基礎について、お教えします」
「じゃあ、アリア。あとは頼んだぞ」
「はい!女王様」
茜音さんが騎士団長室から出ていった。
「それじゃあ、早速始めましょうか!えっと……梨花さんと、にゃも助くんで良かったかな?」
「はい!」
「はいニャ!」
「それじゃあ、まずは、この世界の魔法のことについて教えるわね」
魔法とは、火、水、土、闇、光、無の6つの属性がある。人それぞれ、適切な属性が違う。適切な属性を持っている人が、それにあった魔法を使うと威力が跳ね上がるなどの効果があるが、それ以外の魔法だと、普通の威力、もしくは威力が半減するなどといった、悪い効果もある。この6つの属性の中で1番扱いづらいのは無である。無属性はそもそも他の魔法と比べて、威力がほぼない。その代わり、特別な力を秘めている。ただ、扱える人が世界に1人か、2人いるか、いないかのレベルである。
それゆえに、魔法書には無属性の魔法は載っていない。無属性の魔法は言い伝えの魔法である。最初は自分に合った魔法を鍛錬する必要がある。
「と、魔法の説明はこんな感じかな。次は剣術の説明をするわね」
剣術とは、基本的に魔力が少なかったり、魔法がうまく使えなかったりする人が学ぶものである。剣術には、それぞれの国で流派が異なる。剣術は魔法と合わせることで絶大な威力を誇るものがあるが、それを扱うためには相当な訓練や努力が必要である。この国、ウェンター王国の流派は、「紅玉」という名である。
「剣術の説明はこれだけかな。何か分からないところとかある?」
「あの、こんなこと聞くのもなんですが……アリアさんは魔法も使えるのですか?」
「使えるわよ。騎士団長になるためには魔法も使えなきゃいけないんだ」
「そうなんですね。」
そんな話をしていたらドアのノックの音が聞こえた。
「し、失礼します!」
あれ?この声どっかで聞いたことがあるぞ?
「アリア様、大変です!森で、魔物の大群が暴れてます!って、うわぁ!」
「あ、昨日、助けてくれた子!」
「あ!あなたは!そんなことより、アリア様、とにかく、すぐに森に来てくださいぃ!」
そう言い残し、あの子は逃げるように去って行った。
「ごめんね。一旦授業は中止。私、魔物討伐行ってくるね!」
アリアさんは急いで騎士団長室を出ていった。
あ〜アリアさんの活躍を見たい!
……そうだ!
「にゃも助!私たちも森に行くよ!」
「ニャ!?それは危険すぎるニャ!」
「大丈夫、大丈夫!なんとかなるって。それにいざとなったら、にゃも助が魔法で助けてくれるでしょ?」
「まだ魔法使えないニャ!」
「いいって!いいって!さ、行くよ!」
私たちは騎士団長室を後にして、バレないように森へ向かうことにした。




