25話:紅玉
シュン……
「そい!」
「グッ……!」
私はファイさんの攻撃を剣で防いだ!
この人の攻撃……重たい!!!
「やぁあああ!!!」
ガッキン…
私の攻撃が剣で防がれた!
「いいね!梨花ちゃん!いいパワー!だけど、攻撃が直線的すぎるかな……!」
ヒュ……
また後ろに…!
「ふっ…!」
私は攻撃を受け止める準備をした。
って……!
いない!?後ろにいない!!!
「残念……!前だよ!!!」
!!!!!
いつのまに……!
「そい……!」
「ぐぁ…!」
やば…!
まともに食らった……!
おもちゃの剣とはいえ痛い…!し、重い…!!!
「ファイさん…強いですね……!」
「まあね。これでも1番隊の隊長だからね!」
「じゃあ…!私も本気でいきます……!」
私はエクリプス・ブレードの準備をした。
「お!エクリプス・ブレードか!!!いいよ。受けてみる!」
ファイさん……避ける気がない!?
これは……舐められてるのか?それとも、受け止められる自信があるのか?
「後悔しないでくださいね!!!エクリプス・ブレード!!!!」
ドガァァァァァァァン!!!
直撃した!!!流石のファイさんでもこれは防げないはず……!
「やるね…梨花ちゃん…これはちょっとやばかったかも…。」
ファイさんは私の攻撃を、ボロボロになった剣で受け止めていた。
なんで!?
どうやって……!?
「でも…!あたしは、まだ戦える!!!」
ファイさんがボロボロの剣を構えた。
「紅玉…第一奏…交差する花
!!!」
真正面からこっちに向かってきた!!!
でも剣で攻撃を防げば……!
私は剣で攻撃を防いだ!
「残念…それ、剣じゃないよ……!」
は!?
防いだはずの剣が……すり抜けた!?
「はぁぁぁ!!!」
「ガハァ……!」
私は攻撃をもろに食らった!
強い……!!!
今の力じゃ、勝てない!!!
「降参します……」
「私の勝ちだね!はい!手出して!」
私はファイさんの手に手を重ねた。
「ヒール!」
お互いの傷が治った。
「あの、ファイさん。最後に使った技はなんですか?剣がすり抜けたって言うか……」
「あー、あれは残像!」
「残像?」
「光属性の力を一瞬だけ剣に宿して、そこに剣があるように見せたの。でも、本物の剣は、あたしの手元にある。それで、残像が消える一瞬の隙に、本物の剣で攻撃したから、すり抜けた様に見えたってわけ!」
「なるほど…さっき、紅玉・第一奏って言ってましたけど…あの技が、この国の武術ですか?」
「そうだよ。でも、梨花ちゃん。あたし、最初から紅玉使ってたよ」
「え……?」
「あたしがすぐに梨花ちゃんの間合いに入れたのは、紅玉・第九奏 体力変換のおかげ。この技は、自分の体力を犠牲にして、魔力とスピードのどちらかに、力を極振りすることができるの。だから、間合いに入れたってわけ。その代わり、膨大な体力がいるけどね」
「そんな技を使いながら、あの威力を連発できたんですか!?」
「まあね。あたし、人よりは体力ある方だから!」
ファイさんの体力どうなってるんだろう……
確かに、私を助けてくれた時に、あんな大技を使ったのに息一つ切れてなかった。
「今日はこれでおしまいだけど、基礎魔法の鍛錬が終わったら、あたしと剣術の鍛錬をやりましょう」
「はい!」
「その時に紅玉の使い方も教えてあげる。」
「ありがとうございます!」
「じゃあ、また今度!」
「はい!」
私はファイさんと別れた。
紅玉か……
使えるようになるまで時間がかかりそうだなぁ…
今のうちに体力をつけとかなきゃ!
私は、外を20分間走った。




