1話:同じ世界からきた女王
「えっと…女王様?それは、どういうことですか?」
「そのままの意味だ。私も君と同じ世界からきた。」
私以外にも、ここに転移した人がいたなんて…
「その、女王様は、何をしてたらここに転移をしたんですか?」
「私か?私は、仕事が終わってヤケ酒してたら、ここに転移していた。」
「へ、へぇ〜。でもでも、異世界転移した人がなぜ、女王になれたのですか?」
「私はなぜか魔法の才能があってね、最初は現実世界で、できないことだったから趣味で鍛えていたら、なぜか騎士団長になっていた。それで先代の王が、子がいないから俺の代わりに、王をやってくれと言われて…この状況だ。」
魔法…あ!さっきの女騎士の子が使ってたやつか!
この世界では魔法が権力みたいな感じか…
「あの、魔法って、どうやったら覚えられるのですか?」
「簡単なことだ。魔法書を暗記する。それだけだ。あと、人並みの魔力もいる。」
うげえ…暗記かあ…うーん、暗記は苦手だなぁ…
英単語暗記テストなんか、いつも悲惨だもんなぁ…
そう考えていたら、にゃも助が女王に聞いていた。
「女王様、なぜ僕は喋れるんだニャ?」
「それは私にもわからない。ただ、一つ、仮説がある。」
「それはなんニャ?」
「それはだな。あなたの魔力が大きすぎるということだ。」
「ニャ?」
「さっき魔法で2人の魔力を測らせてもらった。そうしたら、梨花さんの方は魔力がほぼなかった。つまり凡人以下。ただ、にゃも助くんの方は、今までに見たことのないくらいの魔力があった。」
「それが僕の喋れる原因と、どう繋がるのかニャ?」
「そう、そこが問題だ。この世界にも猫はいるが、喋れない。私は、にゃも助くんが持っている膨大な魔力が、自然と、言語翻訳魔法を使っているのではないか、と思った。ただ、この世界には言語翻訳魔法なんてものはない。だから不思議なのだ。」
「まあ、難しいことはわかんニャいけど、喋れるのは便利だから、このままでいいニャ!」
私は考えた。
私には魔法の才能がない…このままじゃ最低権力しかない。つまり、魔法の力で成り上がって、ハーレムを作ることができない!
それはまずい!!!!
せっかく、異世界転移したのに、異世界の女の子とイチャイチャできないのは嫌だ!
「あの!女王様!魔法以外で、なにか、この街でチヤホヤされる能力はありますか!?」
「そうだな…あとは剣術かな?」
「剣術…?」
「ああ、剣術は魔法の次に重要視される。」
「剣術を教えてください!!!」
「え…」
「ダメ?ですか?」
「まあ、私は教えることはできない。教えてもらいたいのなら、騎士団長のとこに行くがいい。」
「騎士団長…」
「とりあえず、今日は休め。そうだ、部屋を用意しておいた。しばらくは、この城に住んでくれ。その方が、街にとっても、あなたにとっても、いいことだろう。明日、騎士団長のところには案内する。」
「ありがとうございます!女王様!」
「それと、私の名前はアイス・ウェンター。ただ、この名前は、この世界の名前だ。現実世界の名前は秋野茜音。私たちでいる時は茜音、他の人がいる時はウェンターと呼んでくれ。」
「はい!ありがとうございます!茜音さん!」
私たちは側近の人に部屋に案内された。
「それで、これからどうするニャ?」
「うーん、私は、この世界でハーレムを築きながら、元の世界に戻れる方法を探そうかな。あと剣術の練習も。」
「梨花は相変わらずニャ……」
「にゃも助は何かしないの?」
「僕はせっかくだから魔法の練習をするニャ!」
「そう。じゃあ、お互い頑張ろうね!」
「ニャ!」
明日は騎士団長に会える!
どんな人かなぁ〜
楽しみ!
そう考えているうちに、疲れていたのか眠りについていた。




