17話:謎の鍵
「これでよし!」
私はアリアさんを洞窟の中に入れた。
「あとは、火を起こせたらいいんだけど…でも、私、基礎魔法使えないし…火打石ないかな?」
私は尖った石を洞窟で探した。
うーん…これはなんか丸ぽいし…
あー…これはなんか違う…
「ん?なんだこれ?」
鍵みたいな形をした石を見つけた。
「ポッケにでも、しまっとこ!」
私は、石をポッケにしまった。
その後、ちょうどいい感じの石を見つけて、薪を集め、石と剣を打ちつけて火をつけた。
「これでよし!アリアさん、起きてくれるかな?」
「んっ…梨花ちゃん…」
「あ!アリアさん!気がつきましたか?」
「私…あ、そっか…」
「体調はどうですか?」
「うん。いい感じ…梨花ちゃんがここまで運んでくれたの?ありがとう」
「いえいえ。それで、さっきの技なんだったんですか?」
「ああ、ルミナス・カーネーションのこと?」
「はい!それです!攻撃が速すぎて、見えませんでした!」
「あれは、私の体力と魔力を全て使った私だけの技で、攻撃とスピード両方を兼ねたものなの。その代わり、体力と魔力が無くなるから気絶しちゃうんだよね。諸刃の剣って感じかな!」
「なるほど…」
「それよりも、梨花ちゃん!エクリプス・ブレードどんな時でも使えるようになったんだね!」
「はい!ただ撃った後は魔力を使った攻撃が出来ませんが…」
「大丈夫、大丈夫!これから魔力を鍛えていけば、撃った後でも魔力を使えるようになるから!」
「それと、なんでさっきウロボロスが出たんでしょう?この森にはいないはずなのに……」
「うーん…もしかして、召喚魔法?」
「メリーナも召喚魔法を使える…?でも、召喚魔法はイヴちゃんの魔法だし……」
「そこが謎なんだよね〜……ま!考えてもしかないし…次に現れた時は、捕まえて色々な事を吐いてもらお!」
「そうですね!あ…そうそう、さっき、ここでこんな変なものを拾ったのですが……」
私はアリアさんに鍵みたいな石を見せた。
「これは…鍵?でも何の鍵だろう…ちょっと貸して欲しいかも」
「はい…どうぞ」
「うーん……」
アリアさんは鍵を凝視した。
「ん?梨花ちゃん…これ……」
鍵の側面にFVERSと書いてあった。
「エフバース?いやフェとも読めますね…フェバースかな?」
「うーん…あ!もしかして…フェブラス?」
「いやでも…綴りが違うような…」
「一旦これを城に持ち帰って調べてみましょう!」
「そうですね!」
私とアリアさんは城に戻った。
「ってことで、こんな石を見つけたわけ!」
私とアリアさんは、イヴちゃんとにゃも助に事の経緯を説明した。
「鍵みたいな石ですか…ちょっと見させてもらえませんか?」
「いいよ!」
「FVERS…なるほど。これはおそらく、フェブラスで間違い無いでしょう。FVERSという文字は、ウェンター王国の歴史の教科書に、フェブラスとして書いてありました。ただ、この鍵が何に使えるのかが、わかりません」
「あの、こんなこと聞くのも失礼ですが…アリアさんは何で、歴史の教科書に書いてあるって知らなかったんですか……?」
「あ、私、勉強苦手だから!なにも歴史とか知らないし、わからないんだよね!」
「なるほど……。フェブラスの何かに関係する鍵かぁ…にゃも助はこれに見覚えある?」
「ないニャ!」
「うーん…とりあえず、これは先生に任せましょ!」
アリアさんが言った。
「先生?」
「うん!あ、梨花ちゃんと、にゃも助くんには紹介してなかったね。じゃあ…鍵を渡しに行くの2人とも着いてきて!」
「はい!」
「はいニャ!」
そうして私とにゃも助は、アリアさんと一緒に先生と呼ばれている人のところに向かった。




